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2023/12/18 チーム

宇都宮ブリッツェン2024シーズン新体制発表

宇都宮ブリッツェン2024シーズン新体制発表

12月15日(金)栃木県庁記者クラブにて、宇都宮ブリッツェンの2024シーズン新体制の発表が行われました。新戦力として、コロンビアから2名の外国人選手、Yecid SIERRA選手、Ruben ACOSTA選手が加入。また、武山 晃輔選手(JCL TEAM UKYO)、花田聖誠(KINAN Racing Team)、貝原 涼太選手(競輪学校在学)、菅野 蒼羅(日本大学 / ブラウ・ブリッツェン在籍歴有)の日本人4選手、計6名が新戦力として加わりました。2024シーズンはグローバル化した11名体制で戦っていきます。2024年のチームスローガンは「Expand The World(エクスパンド ザ ワールド)」。これは「世界を広げる」という意味合いで、2024シーズンは国内レースだけでなく、アジア各地でのUCIレースにも参加していきます。

【2023シーズンからの継続ライダー】

・FENG Chun Kai(フォン チュンカイ/台湾/35歳)

・⾕ 順成(たに じゅんせい/29歳)

・沢⽥ 時(さわだ とき/29歳)

・坂井 洋(さかい よう/29歳)

・本多 晴飛(ほんだ はるひ/23歳)

 

【新規加入ライダー】

・Yecid SIERRA(ジェシット シエッラ/コロンビア/29歳)

・Ruben ACOSTA (ルーベン アコスタ/コロンビア/27歳)

・貝原 涼太(カイハラ リョウタ/26歳)

・武山 晃輔(タケヤマ コウスケ/26歳)

・花田 聖誠(ハナダ キヨマサ/25歳)

・菅野 蒼羅(スゲノ アイラ/19歳)

 

以下、新体制発表時のスタッフ及び選手のコメントです。

(コメントは進行順。坂井、貝原、シエッラ、アコスタは欠席)

 

 

【柿沼章社長の挨拶】

宇都宮ブリッツェンは日本初の地域密着型チームとして2023年まで15シーズンに渡り活動してきました。この15年間でチームを取り巻く情勢も大きく変化し、それを加味した新体制です。

地域型チームのアイデンティティを大切にしながら来季も活動しますが、これまでの宇都宮ブリッツェンのイメージにとらわれる事なく、新しく所属する選手たちが個性を発揮してくれるチーム作りになればと考えています。2024年も地元栃木県や全国のサイクルスポーツファンの皆様に良いニュースを届けていきたいです。

【廣瀬佳正ゼネラルマネージャーの各選手紹介】

西村大輝監督は就任初年度で様々な苦労がありましたが、2シーズン目も手腕を発揮してもらうべく契約いたしました。継続メンバーですが、まず⾕順成選手には2024年もキャプテンとしてチームを率いてもらいます。続けて台湾のベテランであるフォン チュンカイ選手は、先日の台湾ナショナル選手権タイムトライアルで2位という結果を残してくれました。宇都宮ブリッツェン2シーズン目となる来季、フォン選手の活躍も期待しています。

 

沢田時選手はシクロクロスではすでに2023-2024シーズンと継続して活動しています。来季シーズンもマウンテンバイク、シクロクロス、ロードレースと3つの競技で期待しており、チーム2シーズン目の契約となりました。本多晴飛選手も2シーズン目になります。まだ23歳と若手ですがそろそろ中堅。高いポテンシャルを持ち、チームの成績に貢献する走りを期待して契約いたしました。

トラック競技の坂井洋選手も2シーズン目も継続します。地元の作新学院を卒業後、競輪選手としてS級1班で活躍し、先日のレースでも宇都宮ブリッツェンのジャージを着て走ってくれました。私たちのチームはロードレースだけではなく、自転車競技全般の盛り上げに貢献していきたい。ロードレースを大きな軸に、シクロクロスやマウンテンバイク、トラック競技としっかり自転車文化を広げていけたらと思っています。

 

続いて2024年からの新メンバーです。武山晃輔選手と花田聖誠選手はすでに宇都宮に引っ越し、シーズンオフからチームに合流してトレーニングを開始しています。菅野蒼羅選手はチームで最も若い19歳です。アンダー23では唯一の選手になるため、フレッシュな走りを期待しています。また、2020-2021シーズンに在籍したスプリンターの貝原涼太選手が復帰します。

 

さらにコロンビア国籍の選手が2名加入します。チーム初となる外国人選手3名の在籍になります。ルーベン アコスタ選手は西村監督の元チームメイトで、今年の6月ごろから交渉を行い、正式に契約となりました。以上、2024シーズンの宇都宮ブリッツェンは11名体制で国内やアジアのレースに挑戦します。

【⾕順成のコメント】

2年目となる来シーズンもキャプテンを務めさせていただきます⾕順成です。今シーズンは台湾のフォン チュンカイ選手をチーム初の外国人選手として受け入れ、その中で僕自身も多くのことを学ばせてもらいました。今年は色んなレースで成長できたと思います。

チームから2024年はコロンビア国籍の選手も加入し、アジアで活躍できるチームを作ると説明がありました。そこでキャプテンとして自分ができることは、まずコロンビア人たちによる優勝に貢献すること。しかし外国人選手に頼るだけではなく日本人選手もしっかり活躍し、勝つ姿を宇都宮の皆さんに見せていきたい。自分も成績を残し、個人としては昨年達成できなかった全日本選手権の優勝、そしてホームレースであるジャパンカップで上位入賞を目指したい。

その2レースを毎日意識しながらトレーニングに取り組み、チーム全員でアジアも周り、最後にみんなでジャパンカップに戻ってきた時にいい成績を残したい。キャプテンとしてチームをまとめていきたいです。よろしくお願いします。

【武山晃輔のコメント】

2024シーズンより新規加入します武山晃輔です。今シーズンまでJCL TEAM UKYOに所属し、学生時代から約5年間半に渡り所属したチームを離れ、このたび宇都宮ブリッツェンに加入することになりました。やっと宇都宮での生活に慣れ、お店の店先に自転車ラックがあったり、のぼりが立っていたり、自転車文化が街に非常に根付いているのを練習中に感じています。

チームはアットホームで、人の繋がりも濃く、柔らかい印象も感じ、その雰囲気が街にもあるのかなと思っています。競技だけでなく、地域との繋がりも意識した選手生活を送っていけそうで非常に楽しみです。

個人としては、前半戦は全日本選手権、後半戦はジャパンカップと重なる九州のステージレース(ツール・ド・九州)をシーズンのポイントとして、特に重視してチャレンジしていきたいです。アジアのレースではコロンビア人選手をエースとして迎えた体制となり、これまでの経験を活かせる場になります。しっかりアシストとして自分がレースを任せてもらえるよう、万能に走っていければと思っています。よろしくお願いします。

 

【花田聖誠のコメント】

和歌山を拠点としているキナンレーシングチームから、来季より宇都宮ブリッツェンに所属します花田聖誠です。このチームに入るにあたり、地域密着型チームとして本当に宇都宮の皆さんに支えられている印象です。僕も宇都宮の魅力を大勢の方へ伝えていければと思います。

レースですが、僕は2019年にジャパンカップのアマチュアカテゴリー(オープンレース男子)で優勝しており、相性もいいです。僕自身も結果を残していきたいが、チームから必ず優勝者が出るようにサポートしていきたいです。頑張りますので、よろしくお願いします。

 

【菅野蒼羅のコメント】

来季から宇都宮ブリッツェンに所属させていただくことになりました。現在は日本大学自転車競技部に所属しています2年生の菅野蒼羅と申します。2023年は日本大学自転車競技部とは別に、チームユーラシア・iRCタイヤに加入しました。

私は2018年、中学3年生のときに宇都宮ブリッツェン下部組織のブラウ・ブリッツェンに所属し、トップチームに憧れて抱いて練習をしていました。このたび宇都宮ブリッツェンに加入することになり、とても嬉しく思います。

来年の目標は個人としては全日本選手権アンダー23で優勝すること、チームとしてはチームメイトや応援してくださる皆さんに信頼される選手になりたいです。少しでも先輩と同じレースに出たいと思っておりますので、応援よろしくお願いします。

 

【フォン チュンカイのコメント】

今年1シーズン目、宇都宮ブリッツェンで過ごし、本当に素晴らしい1年を過ごすことができました。またここに新しいメンバーが集まりましたので、この仲間、家族と共に1年間頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

【沢田時のコメント】
来季からチーム在籍2年目になります沢田時と申します。1年目はロードレースだけでなく、マウンテンバイク(MTB)、シクロクロスと3種目を手厚くサポートしていだたけました。地元企業の皆さんからも応援していただき、自分にとっていいシーズンを過ごせたと思っています。ただ、全日本選手権はシクロクロスとMTB、どちらも2位でした。またロードレースでも最後まで谷選手をサポートできず、悔しい場面も非常に多かったシーズンでもあります。

チームにも慣れてきましたので、来季はもっと力を発揮したいです。来季、初期の目標はシクロクロスの全日本選手権が宇都宮のろまんちっく村で開催されます。自分にとって8年前に優勝した大会で、思い入れがある場所です。地元チームとして戦えることを非常に楽しみにしています。

ここで優勝することができれば、その後のMTB、ロードレースと続く、良い2024年にできると思っています。まずそこにしっかり目標を定めていきたいです。来年もよろしくお願いします。

 

【本多晴飛のコメント】
在籍2年目になる本多晴飛です。今年は初めてのステージレースなど様々な経験をさせていただき、自分の得意不得意、課題など浮き彫りになりました。

来年の目標は、個人ではまずUCIポイントの獲得圏内でゴールできればと思っています。ステージレースなど長期間に渡るアシストもやり遂げたいです。よろしくお願いします。

 

【ジェシット シエッラのコメント】
皆さんはじめまして。私の名前はジェシッド・シエッラ・サンチェスと申します。2024年、宇都宮ブリッツェンで走る機会をいただきとても感謝しています。自分の経験を活かしてチームへ貢献できることをとても嬉しく思っていますし、多くのパートナー企業の支援受け、表彰台の頂点へ上れることを楽しみにしています。

様々な歴史を通じて発展してきた日本で、名声と尊敬を集める素晴らしいチームへ加入する事に心を燃やし、2024年に向けて個人に対して課されたミッションと、チーム全体に設定された目標を達成することを熱望しています。

私はこれまでのキャリアで、様々な国と地域で世界トップクラスのレースに参加してきました。私自身、プロフェッショナルとしてチームから求められる事とは何なのかを十分に理解しています。皆さん、どうぞよろしくお願いします。

 

【ルーベン アコスタのコメント】
コロンビア出身のプロサイクリスト、ルーベン・ダリオ・アコスタ・オスピーナです。この素晴らしいチーム「宇都宮ブリッツェン」の一員として日本で活動できることに感謝すると共に大変嬉しく思います。

これまでの培った経験を生かし、チームから与えられた役割を遂行し、レースでは素晴らしい仕事が出来ればと思っております。レース外でもチームメイトと良き雰囲気を作りたいですね。私の目標のひとつは、チームの名前を表彰台の頂点へ掲げ続けること、参加するレースで宇都宮ブリッツェンが主人公であり続けること、そしてチームメンバーの仕事にファンやスポンサーの皆さんが共感し、喜びや感動を感じてもらうことです。 子供達や多くの方々に、自転車競技はスポーツ以上のものであり、健康的なライフスタイルになり得ること、そして自転車を通じて多くの夢を叶えることができることを知ってもらえるよう、チームメイトとともに良い仕事をしていきたいです。

この偉大なチームの一員である私たち全員にとって、成功と勝利に満ちあふれた素晴らしいシーズンになることを願っています。皆さん、どうぞよろしくお願いします。

【西村大輝のコメント】

監督2年目となります西村大輝です。来季、コロンビア人選手、台湾人選手、日本人選手とよりインターナショナルなチームになります。レース目標は国内外でのUCIレースにおいて総合優勝、または総合優勝に絡める戦いがしたいと思っています。

地域活動や社会貢献活動に関しては、地域密着型チームという点はブレずに誠心誠意やらせていただきたいです。引き続き、皆様に応援していただけるチームになりたいと思います。来季も宇都宮ブリッツェンをよろしくお願いします。

 

【廣瀬佳正ゼネラルマネージャーのコメント】

私たち新シーズンは3月にシーズンイン、おそらく富士クリテリウムがスタートになると思います。その後、ツール・ド・台湾が予定されています。これまで宇都宮ブリッツェンは国内中心で活動しておりましたが、コロンビア人選手も加入することもありアジアNo.1チームを目指していくことを西村監督、柿沼代表、チームで共通認識としています。

その中で毎年掲げているチームのスローガンを「Expand The World(エクスパンド ザ ワールド)」に決めました。今までは日本でNo.1チームを目指していましたが、宇都宮のローカルチームであってもアジアNo.1チームを目指すという強い意志で、このスローガンになりました。宇都宮の名前をより世界に、ローカルからグローバルへ広げていく強い信念を持って活動して参ります。

 

 

【報道各社からの質疑応答】

 

ーーー「Expand The World」とコロンビア人選手の関連は?

 

柿沼社長:我々はアジアのコンチネンタル登録チームです。宇都宮には世界的レースであるジャパンカップが来てくれます。宇都宮ブリッツェンはこれまでの活動で日本チャンピオンになったことや日本ランキング1位などを成し遂げました。それらの価値を高めることも大切ですが、新たな目標として我々がアジアNo.1を目指すことは自然な考え方です。

それを成し遂げるための体制として2名のコロンビア人選手を獲得することになりました。2023年の国内のレースリザルトを見ると、日本のチームながら外国籍の選手を獲得することは流れになってきています。私たちも近年その辺を考え、昨年のフォン チュンカイ選手の獲得も含めて取り組んできました。ナショナリズムに限定する考え方よりも、むしろこの選択の方がナチュラルなのではと考えています。ただ地域密着型チームでもあるため、チームや選手たちが地域に愛されることも大事な要素でもあります。

 

ーーー2024年は大幅にメンバーが入れ替わる。来季はどのようなチーム作りをするのか。

 

西村監督:現在の国内レースでは他チームが海外の選手を多数登録している関係から、国内であっても優勝争いをする選手の大半は外国籍の選手となっています。その経緯も踏まえ、コロンビア人選手を獲得することでより優勝に近づけると期待しています。

3回目の出場となるツール・ド・台湾では総合優勝を目指します。我々はメリダのロードバイクを使いますが、メリダ本社は台湾にあります。そのお膝元で総合優勝をなり遂げられたらと思います。

 

ーーー2023年は未勝利に終わった。結果について。

 

西村監督:UCIレースでは勝利を挙げられませんでした。シマノ鈴鹿ロードのチームタイムトライアルのみ、1勝にとどまりました。来シーズンはより多くの勝ち星をあげられたらと思います。

 

ーーー地域密着型チームとして、地元の栃木県で走る2024年のレースは?

 

廣瀬GM:まず1月の宇都宮のろまんちっく村で開催されるシクロクロス全日本選手権。また3月23日・24日に真岡芳賀ロードレース、宇都宮清原クリテリウムが開催予定で調整を進めています。それとジャパンカップクリテリウムとジャパンカップサイクルロードレース。この5つがホームレースとなります。

 

ーーー人気選手の退団が多かった。

 

柿沼社長:退団について多くの反響がありました。プロスポーツチームは単年契約が多く、チーム編成や契約は常に有限です。その中で宇都宮ブリッツェンはかなり長い期間に渡り、特定の選手たちに力を借りてきました。昨年も増田成幸選手(2023年はJCL TEAM UKYO所属)が移籍しました。今年は阿部嵩之選手、小野寺玲選手、堀孝明選手、小坂光選手、中村魁斗選手が同じタイミングでチームを離れることはインパクトも大きいですし、心配の声もいただきました。

それは選手たちが地元の皆様に愛されていたと感じることで、長く宇都宮ブリッツェンの看板を作り上げてくれた活躍に改めて感謝を申し上げるところです。ただチームと選手の関係は常に有限で、必ず訪れることで仕方がないことだと思います。

 

ーーーコロンビア人が加入するが、地域密着型チームとしてこれからどうしていくか。

 

柿沼社長:コロンビア人選手の加入による地域への浸透ですが、生活が宇都宮にあることによる市民の皆様との接点が大きく影響するのではないでしょうか。たとえ地元開催のレースであっても、それが市民の皆様に観ていただかないと感動は伝わらない。国籍がどこの選手であっても直接観に来ていただく機会を増やし、メディアの皆様の力も借りて、いかにチームが戦っているかを伝える方法も重要になってくると思います。

市民の皆様と接点を増やすことは、たとえばチームトレーニングの発着をより市民の皆様の目に触れる場所に持っていくなど工夫をしたいです。

 

ーーー出場するアジアのレース予定は?

 

廣瀬GM:出場が濃厚なのは3月のツール・ド・台湾です。また、4月のツアー・オブ・タイランド、6月のツール・ド・コリアはオーガナイザーに出場の意思表示をしています。初年度に出場希望の全てのレースへ出場出来るのは難しいことも理解しています。日本でもUCIレースが増えておりますが、国内レースで確実にUCIポイントを獲得し、その積み上げが海外のUCIレースへの出場機会に繋がります。

 

ーーーコロンビア人選手2名の特徴は?

 

西村監督:ルーベン アコスタ選手は、私が2019年に所属していたイタリア籍のチーム(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)の元チームメイトです。アコスタ選手の主な実績は2021年と2022年のコロンビアナショナル選手権での共に11位。脚質はピュアクライマーで上りに特化した選手になります。国内レースではツアー・オブ・ジャパンの富士山ステージなどで力を発揮してくれるのではと期待しています。

ジェシット シエッラ選手は2018年、2019年とツアー・オブ・チンハイレイク(中国)で2年連続総合5位になっています。脚質はオールラウンダーで、タイムトライアルも上りも素晴らしい能力を持っています。逃げの展開や上りの力勝負でも対応できると思います。