▼レースレポート
山口県を舞台にしたシーズン最終盤の山口2連戦。2日目の美祢・秋吉台カルスト国際ロードレースは、美祢市と石灰岩地帯の広がる国定公園の秋吉台周辺で行われた。フィニッシュ手前には最大勾配14%の激坂“カルストベルグ”が選手たちを待ち構える。
宇都宮ブリッツェンで上りを得意とする堀孝明は、「去年は6位でいいイメージがある。厳しいコースだが積極的に攻め、エースの谷選手のそばで最大限のアシストをして役割を果たしたい」とコメント。また、今季限りでチーム退団をするため「僕にとって宇都宮ブリッツェンとして走る最後の公式戦になると思う。しっかり走り抜きたい」と意欲を見せた。
宇都宮市出身で育成チームのブラウブリッツェンを経て、宇都宮ブリッツェンに加入にした堀。長年アシストとしてエースを支えながら、自身もヒルクライムで幾度と見せ場を作ってきている。
前日にコースの一部変更が発表され、カルストベルグは昨年の計4回から5回と増え、宇都宮ブリッツェンメンバーは「より過酷になった」と警戒。パレード走行からカルストベルグを上り、序盤から厳しい戦いが予想された。秋吉台の絶景の中を駆け抜けていく選手たち。カルストベルグが注目されがちだが、全体的にアップダウンに富んだコースになっている。
キャプテンの谷順成は那須ブラーゼン時代の2021年、この大会で3位に入賞している。相性は悪くない難コースを前に「力の差が出やすいコースで力勝負になる。展開で遅れると勝負に絡めない。宇都宮ブリッツェンは4人出走で他チームよりも少ないが、全員で臨機応変に対応したい」と意気込む。
1周目から宇都宮ブリッツェンは積極的に動く。昨日スプリント賞を獲得したベテランの阿部嵩之が逃げるタイミングをうかがい、数名の選手と先頭でペースを作る。最初のスプリントポイント後に16名の逃げが決まり、阿部とフォン・チュンカイが加わった。後続とのタイム差は1分ほどまで広がった。一方で堀が1周目にメカトラブルでメイン集団から遅れ、程なくしてフォンも集団に戻る。