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2023/10/08 レース

【レポート】マイナビ ツール・ド・九州2023 熊本阿蘇ステージ(UCIアジアツアー2.1)

【レポート】マイナビ ツール・ド・九州2023 STAGE2 熊本阿蘇ステージ(UCIアジアツアー2.1)

 

▼開催日

2023年10月8日(日)

 

▼スタート

瀬の本レストハウス(熊本県阿蘇郡南小国町満願寺5621ー7)

 

▼フィニッシュ

あそ望の郷くぎの(熊本県阿蘇郡南阿蘇村久石2815)

 

▼出場選手

谷 順成

阿部 嵩之

堀孝 明

沢田 時

小野寺 玲

本多 晴飛

 

競技概要

南小国~南阿蘇 50.23㎞+ケニーロード周辺11.5km×5周 総距離107.73km

出走:103名(18チーム)

スタート時の天気:雨

スタート時間:9:00

▼レースレポート

 

全3ステージのツール・ド・九州のうち、クイーンステージと称される熊本阿蘇ステージ。南小国町から南下し、阿蘇五岳を右手に見ながら南阿蘇に入ると、1級山岳を含む周回を5周という登坂の厳しいコース設定だ。しかも朝から続くしとしと降る雨、濃い霧、前日より10度も下がった13度という気温で、周回が3周に縮められる話も出たが、結局は5周のままに。9時の号砲と共に、宇都宮ブリッツェンは沢田時が前方で勢いよく走り出して行った。前日、チーム最高位の12位の沢田。アジア競技大会MTBで銅メダルを取ってから、調子の良さが続いている。

 

最初の関門は26.8㎞に設定された1級山岳の箱石峠。前に4人が逃げていたが、それを容認した集団に、チームは阿部嵩之、堀孝明、沢田時、谷順成、小野寺玲の5名をしっかりと残した。本多晴飛は中国のツアー・オブ・ビンゾウから体調を崩したのが長引いている。

 

「下りでは落車が何度もあり、集団が割れたりもあったが、常に小野寺選手がいい位置をキープしてくれていたので、ひたすらそこを目指す走りができた。お陰で、序盤は力を使わずに走ることができた」と言う谷。総合力をつけた小野寺が、こういう山岳ステージでもアシスト役を果たせるのが、何よりも彼の成長の証だ。

 

雨は時折弱まることもあったが、勝負どころとなる南阿蘇の周回コースに入っても、路面が乾くことはなかった。このコースが厳しすぎるので、周回数が減らされる噂は試走のときからあったようだが、雨でも低温でも予定通り5回上る。そんな中でも、宇都宮ブリッツェンは、谷が前で展開。1周回目終了時は12人の先頭から約20秒遅れの13位で、9名と共にフィニッシュラインを通過した。その第2グループには沢田の姿も。チームオーダーは「この周回に谷と沢田を前で入らせる」というものだったので、オーダー通りの動きとなった。

「1周回で力を使い切って順位を落とすよりも、順位を落とさず少しずつ上げることを、西村監督とも話していたので、5周回全体を考えてペース配分を心がけた」という谷は、その後もペースで進む。そして、トップから2分20秒ほど遅れた5名のスプリントを取り、10位でフィニッシュ。このハードなステージでトップ10は誇れる順位だ。

 

沢田は最後1人旅となってしまったが、シクロクロスとMTBで鍛えた心肺能力で19位。リザルトの前後の選手を見ると、数々のロードレースで上位に入った選手ばかりで、善戦と言ってもいいだろう。レースを追うごとに、宇都宮ブリッツェンの勝負に欠かせない存在になってきている。また、リザルトの数字だけでは語れないのが、今日の堀だ。新型コロナウイルスの後遺症で体調を崩してから、もうずいぶん長く本調子を戻していない堀は、このところDNFになることも多かったが、誰もが「厳しい」と口をそろえたこの山岳ステージで、67位フィニッシュ。来週のジャパンカップに向けて弾みがつく日となった。なお、今日のステージの完走者は103名中87名。

 

レースは最終周回で8名まで絞られ、日本人は留目夕陽選手(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム)のみで残りは外国人選手。アスタナ・カザクスタン チームから2名、ヴィクトワール広島から2名、あとはARAスキップ・キャピタルとJCL TEAM UKYO、キナンレーシングチームから1名ずつ。そこから最後の1級山岳への上りで飛び出したのがアスタナ・カザクスタン チームのアンドレイ・ゼイツ選手。そのまま独走勝利を収めた。

 

明日は最終日となる大分ステージ。この2日間に比べると平坦とも言えるが、細かいアップダウンが連続する129.13km。明日も6名一丸となって戦う。

西村大輝監督のレース後のコメント】

昨晩のミーティングで、まずはUCIポイントを必ず取って帰ろうという話をしたので、谷順成、沢田時のこの2名は、確実に上位でゴールして、総合タイム差をなるべく失わないようにしようということでスタートした。周回に入り、12名の先頭集団がいたが、その後ろの集団に2名が入ってくれた。周回を重ねるごとに、前も第2集団もバラバラになったが、谷が頑張ってくれて10位。沢田も、第2集団からちぎれたが、とにかく集中を切らさずに行こうと声をかけた。2名とも踏み止めることなく、フィニッシュラインを切るまで集中してくれた。明日もこの集中を切らさず、少しでも多くのUCIポイントを取って、宇都宮に帰りたい。

谷順成のレース後のコメント】

このツール・ド・九州で、総合順位が最も動きやすいのが今日で、上りがきついステージだった。予報通り雨のレースとなり、チームと作戦としては、自分と沢田選手をトラブルなく先頭集団に送ることだった。また周回の上りがかなりきつく、道が狭いのもあって、自分と沢田選手が先頭付近で入れるよう、みんなでアシストするというものだった。下りでは落車が何度もあり、集団が割れたりもあったが、常に小野寺選手がいい位置をキープしてくれていたので、ひたすらそこを目指す走りができた。お陰で、序盤は力を使わずに走ることができた。周回の上りも、作戦通りに自分と沢田選手が先頭付近で入ることができた。チームとしていい動きができた。周回の勝負になったときに、1周回で力を使い切って順位を落とすよりも、順位を落とさず少しずつ上げることを、西村監督とも話していたので、5周回全体を考えてペース配分を心がけた。最後は5名の10位争いの集団で、しっかりとスプリントして10位に入ることができた。もう少し上に行ければよかったが、今日のチームの目標はしっかりと達成できたと思う。

▼第2ステージリザルト

1位 アンドレイ・ゼイツ(アスタナ・カザクスタン チーム) 2:57:12

2位 アントニオ・ニバリ(アスタナ・カザクスタン チーム) +00:21

3位 留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム) +0:21

 

10位 谷順成(宇都宮ブリッツェン)+2:24

19位 沢田時(宇都宮ブリッツェン)+4:01

51位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)+17:27

67位 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)+20:23

74位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)+20:54

86位 本多晴飛(宇都宮ブリッツェン)+33:08

 

▼第2ステージ終了時点の総合リザルト

1位 アンドレイ・ゼイツ(アスタナ・カザクスタン チーム) 6:15:50

2位 アントニオ・ニバリ(アスタナ・カザクスタン チーム) +00:25

3位 留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム) +0:27

 

14位 谷順成(宇都宮ブリッツェン)+2:34

18位 沢田時(宇都宮ブリッツェン)+4:11

43位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)+18:32

66位 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)+28:55

69位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)+29:26

86位 本多晴飛(宇都宮ブリッツェン)+42:20

 

 

 

▼各賞

個人総合時間賞 アンドレイ・ゼイツ(アスタナ・カザクスタン チーム)

ポイント賞 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)

山岳賞 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテ(JCL TEAM UKYO)

新人賞 留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム)

 

 

 

※全リザルトはこちらから

https://www.tourdekyushu.asia/manager/wp-content/uploads/2023/10/C04.pdf