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2023/11/12 レース

【レポート】第35回 ツール・ド・おきなわ2023 男子チャンピオンロードレース

【レポート】第35回 ツール・ド・おきなわ2023 男子チャンピオンロードレース

 

▼開催日

2023年11月12日(日)

 

▼スタート&フィニッシュ

21世紀の森体育館前(沖縄県名護市大南2丁目1番1号)

 

▼出場選手

谷 順成

阿部嵩之

フォン・チュンカイ

沢田 時

小野寺 玲

 

▼競技概要

沖縄県北部地域 総距離:201.4km

出走:68名(15チーム)

天気:雨

スタート時間:6時45分

▼レースレポート

2023シーズンの公式戦ラストレースとなるツール・ド・おきなわ2023 男子チャンピオンロードレースが沖縄県北部を舞台として行われた。同大会は今年で35回目を迎え、UCI(国際自転車競技連合)のアジアツアークラス1.2の国際レースとして、国内外のプロチーム、ナショナルチームが沖縄県名護市に集結した。

宇都宮ブリッツェンにとってツール・ド・おきなわは、過去3度の優勝(2014、2016、2019年)を成し遂げた思い入れのあるレースであり、今年は大きくチームの顔ぶれが替わったが、4度目の優勝を目指してレースに挑んだ。

まだ薄暗く雨風が吹き付ける中、6時45分に68名の選手達が一斉にスタートした。序盤の逃げには阿部と小野寺が加わるとミーティングであったとおり、危険と思われるアタックには必ず阿部と小野寺が反応していく。

スタートして20kmを過ぎた頃、フォン・チュンカイを含む4名が飛び出す。さらに追走2名が追いつき、フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン)、孫崎大樹選手(KINAN RACING) 、ヴォージュ・レナート選手(SARIS ROUVY)、白尾雄大選手(さいたま那須サンブレイブ)、ハート・ザ・ジャスティン選手(WGA)、リー・ティン・ウェイ選手(TPC)による逃げグループが形成される。メイン集団はこの逃げを容認しペースダウン。タイム差がみるみる広がっていく。宇都宮ブリッツェンとしても、フォンが先頭に加わることで、メイン集団に残るチームメイトは、先頭を追う必要はなく、体力を温存しながら残りの距離を消化していける。

 

先頭6名は快調にローテーションを繰り返し、70km地点では、約9分差のタイムギャップを稼ぎながら、最初の山岳ポイントとなる照首山頂上を目指す。そして1回目のKOMは、孫崎大樹選手(KINAN)が獲得。その後、普久川ダムを下り、海岸線に入るとメイン集団は、JCL TEAM UKYO、ヴィクトワール広島がコントロールを開始した。

残り80kmを過ぎ、先頭グループは2回目の山岳ポイントとなる照首山の登りに突入。この日好調な走りをみせる孫崎選手が再び2回目のKOMもトップ通過。見事、山岳賞を手中に収めた。メイン集団では、マンセボ選手(マトリックス・パワータグ )が単独アタックに出るなど動きをみせる。メイン集団は優勝候補であるベンジャミン・ダイボール選手率いるヴィクトワール広島がペースメイク。2回目のKOM通過する頃には、先頭とのタイム差は5分を切る。

残り60km付近、先頭で奮闘するフォンだが、痛恨のパンクに見舞われる。フォンが先頭グループにいる事で優位に進めてきた宇都宮ブリッツェンだが、パンクによってフォンが遅れてしまい一気に形勢逆転。今度は先頭グループを追う立場になってしまった。

 

残り37km、メイン集団から寺田選手(シマノレーシング)が勢いよく単騎で飛び出す。個人タイムトライアルを得意とする寺田選手は、残り27kmで先頭グループをキャッチし、そのまま先頭に躍り出た。宇都宮ブリッツェンは、阿部をメイン集団のローテーションに入れて先頭を追う。

 

先頭の寺田選手が視界に入ったタイミングで、メイン集団から山本元喜選手(KINAN)がアタック。これがきっかけとなり、マンセボ選手(マトリックス)、山本大喜選手(JCL)、入部選手(シマノ)、山本元喜選手(キナン)のエース級4名が抜け出す。宇都宮ブリッツェンはこの逃げに反応出来ずに後手を踏んでしまう。

残り15km、先頭4名までは約30秒差。エース谷の為に小野寺が献身的にメイン集団を引き続ける。小野寺の全身全霊の牽引により、最後の登り区間となる羽田ダム麓で先頭グループを視界に捉えた。

 

いよいよ最後の登りに入りエース同士の攻防が始まる。中腹で先頭が吸収されると、ネイサン・アール選手(JCL)が力技で後続を引き離す。この動きにより先頭グループは更に絞られるも、宇都宮ブリッツェンの谷は前方をキープし優勝争いを繰り広げる。

残り5km、羽地ダムの頂上でネイサン・アール選手が捕まると、絶妙なタイミングで風間選手(シマノレーシング)がアタック。これに山本選手(JCL)が反応し、2人は下り坂で抜け出す。雨で濡れた危険なダウンヒルを攻めた2人に優勝争いは絞られ、最後はスプリント力が優った山本大喜選手が見事勝利を収めた。

 

宇都宮ブリッツェンは、谷が4位争いのゴールスプリントに挑むも11位でフィニッシュとなった。

【谷 順成のレース後コメント】

はじめのツール・ド・おきなわでしたが、もう少しハードな展開になるかと思っていた。集団が大きいまま、最後の勝負どころとなる羽地ダムの上りが来てしまい上手く行かなかった。チームとしては、前半からフォン・チュンカイ選手が逃げに入ってくれ、阿部選手、小野寺選手が集団を牽引して、勝負出来るところまで動いてくれたのでチームとしては良い動きが出来た。今シーズンなかなか結果が出ていない一年だったが、チームとして成長できたところも感じた。来年は僕自身、もっと成績が残せる様に走って行きたいと思う。

【沢田 時のレース後コメント】

序盤にフェンが逃げにのってくれて、中盤は阿部選手が集団を引いてくれて逃げを捕まえましたが、最後に強力な逃げが出来たタイミングで僕が逃げに入れるポジションだったが、ちょっと躊躇ってしまい、そこで乗れなかったのが本当に申し訳なかった。個人的にすごく悔いが残るレースになってしまった。

【小野寺 玲のレース後コメント】

雨でなかなか読みづらい展開でした。僕と阿部さんで序盤の逃げにのりたかったですけど、積極的に行き過ぎて逆に難しくなってしまった。代わりにフォンが逃げに行ってくれて、後半までエースと一緒に走って、最後は枚数不足で思う様な展開ができず、僕も羽地の麓で逃げを捕らえるべく何とか勝負できる位置まで引いて役目を終えました。宇都宮ブリッツェンとして最後の公式レースでしたが、最後までチームメイトと走れて、結果は伴わなかったですが、良いレースが出来たと思う。

▼リザルト

1位 山本大喜(JCL TEAM UKYO) 5:14:42

2位 風間 翔眞(シマノレーシング) +0:01.397

3位 ベル・ヴァン・バス(Wielerploeg Groot Amsterdam) +0:04.769

 

11位 谷順成(宇都宮ブリッツェン)

18位 沢田時(宇都宮ブリッツェン)

34位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)

51位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン)

53位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)

 

 

 

※全リザルトは下記のURLからご覧ください。
https://matrix-sports.jp/lap/result.php?evt=231112_Okinawa&ctg=100