レース中盤、沢田がトップに立ち積極的にレースを作る中、織田選手が痛恨の落車で遅れる。沢田は単独トップとなり、このままゴールまで独走に持ち込みたいところ。ただ、織田選手の落車により10数秒のアドバンテージを得ていたものの、王者織田の驚異的な追い上げにより、残り5周で追いつかれ振り出しに戻された。
火花を散らしながらデットヒートを繰り広げる沢田と織田選手。登り区間でも双方遅れることなく周回数を減らしていく。そして、いよいよファイナルラップへ。今シーズン、すべての大会で圧倒的な独走勝利を収め続けて来た織田選手だが、今日のレースではゴールラインを切るまで勝負の行方が判らない。フィニッシュエリアでレースを見守る観衆からも緊張感が漂う。
松伏シクロクロスのゴールラインは、最終コーナーを抜けた直後に設置されているため、先頭で最終コーナーを抜けた者が勝利を収める。両者共にその事は理解しているのはもちろんで、是が非でも最終コーナーは先頭でクリアしたい。
先頭2人の姿がゴールラインへ近づく。沢田が先行し、織田が番手につける。両者牽制しながら、織田が仕掛けるタイミングを見逃さぬように沢田も全神経を集中させる。そして最終コーナーで仕掛け合う両者だが、僅かにインをついた織田選手が最終コーナーを先頭で入り、そのままゴールラインを駆け抜けた。沢田は今季1勝目を僅かな差で手にすることができず、2位でレースを終える結果となった。