▼レースレポート
長野県・山梨県・静岡県を舞台に開催されているシクロクロスミーティング。日本のシクロクロスはここから始まったと言ってもいい歴史のあるシリーズ戦で、ジュニアからエリートまで、幅広い年齢、レベルの選手が集い、自然と戯れながらレースをおこなう。第6戦となる上山田大会は、宇都宮ブリッツェンからは小坂光、沢田時の2名での参戦予定であったが、沢田が蕁麻疹を発症し、処方された薬を使ってもレース当日には顔まで赤く腫れ上がるほど悪化し、やむなく出場を辞退。小坂だけの出走となった。
ホビーレーサーも多く出場し、小坂の実家にも近いことから、昔から馴染みのある大会だが、プロになってからは出場機会が減り、このコースはおそらく10年ぶりになるという小坂。「レイアウトは少し変わったものの、元々、平坦でハイスピードのコース。今日も走力が問われるレースになると思う。沢田選手もそうだが、その他の有力選手も体調不良で欠場となり、織田聖選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)のレースになるのかと思っている。勝敗を分けるのは、やはりこのコースに関しては“脚”。織田選手がかなり強いので、覚悟して臨みたい。シーズンインのときと比べたら調子は上がってきているし、今週のトレーニングも調子が良かったので、来月の全日本選手権に向けて、いいイメージで終えられればと思う」とレース前に語った。
気温2度という寒空の下、16名のエリート選手が13時にスタート。ホールショットは小坂が取り、積極的にペースを作る。ただ2周目に入ると織田選手が徐々に加速し始め、3周目で織田選手と小坂の差は12秒に。1周回ごとに10秒ずつ差が広がるようなペースではあったものの、小坂は3位以下を大きく引き離し、ミスさえしなければ表彰台は狙える位置。いつも以上に集中した表情で周回を重ねる。