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2023/10/14 レース

【レポート】2023ジャパンカップクリテリウム

【レポート】2023ジャパンカップクリテリウム

 

▼開催日

2023年10月14日(土)

 

▼スタート&フィニッシュ

宇都宮二荒山神社前(栃木県宇都宮市馬場通り1丁目)

 

▼出場選手

谷 順成

阿部 嵩之

小坂 光

堀孝 明

フォン・チュンカイ

沢田 時

 

競技概要

宇都宮市大通り周回コース 2.25km×15周 総距離:33.75km

出走:109名(19チーム)

スタート時間:15時40分

▼レースレポート

宇都宮市に日本中からサイクルロードレースファンが集まるジャパンカップ。日曜日に行われるロードレースは今年で30周年を迎え、市民にはすっかりお馴染みの秋のビッグイベントに成長した。シーズンオフ直前のレース、しかもアジア開催にも関わらず本場ヨーロッパの強豪チームからの注目も高く、今年はUCIワールドツアーチームが7チーム、UCIプロチームが3チーム、UCI海外コンチネンタルチームが1チーム参戦する。迎えうつ国内勢は宇都宮ブリッツェンを筆頭に、日本ナショナルチームを含めた全8チームだ。

 

宇都宮ブリッツェンは8日に今シーズン最後にチームを退団する選手を発表しており、阿部嵩之、堀孝明、小坂光の3名が宇都宮ブリッツェンメンバーとしてのジャパンカップラストランとなった。昨年クリテリウムで5位に着け、チームでスプリントの要となる小野寺玲も出場が予定されていたが大会直前で新型コロナウイルス感染症陽性が判明し、出場は叶わなかった。彼も退団が発表されている。

 

晴れ渡る秋晴れの下、パレード走行2周を行い、宇都宮市大通りの沿道に集まった市民、ファンの声援に応える選手たち。スタートの号砲が鳴り響くと一斉に色鮮やかなジャージが猛スピードで走り出した。大通り周回コース2.25kmを15周、約33kmと短い距離のクリテリウム。前半レースを盛り上げたのはスーダル・クイックステップの(2021、2022年世界チャンピオン)フランス人ライダー、ジュリアン・アラフィリップ選手だ。最初のスプリント賞を獲得すると、アンドレア・ピッコロ選手(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)、パスカル・エインコールン選手(オランダ、ロット・デスティニー)を従えて逃げを続けた。2度目のスプリント賞はエインコールン選手になった。

 

残り7週になると後続のメイン集団も黙ってはいられない。逃げる3名に6名が追いつき、さらにその後ろからは大集団が迫る。残り6周で一つの集団になると宇都宮ブリッツェンも動きを見せ始める。阿部がするすると先頭の牽引に加わり、周囲に目を配る。最後の3回目のスプリント賞はギヨーム・マルタン選手(フランス、コフィディス)が獲得している。

 

ハイスピードで展開するクリテリウムはあっという間に残り2周に。日本ナショナルチームの松田祥位選手が単騎で飛び出して見せ場を作るものの吸収され、その瞬間から最終局面に向けて集団は一気に活性化。日本勢は愛三工業レーシングチームがトレインを組んで先頭を牽引するが、海外勢も容赦しない。前半にスプリント賞を獲ったアラフィリップ選手が引き出すと、そのまま最後の直線に。大混戦となった集団スプリントを制したのはエドワード・トゥーンス選手(リドル・トレック)だ。32歳のベルギー人が、見事ジャパンカップクリテリウム3連覇の偉業を成し遂げた。宇都宮ブリッツェンの最高位はフォン・チュンカイの17位だった。

 

クリテリウムは宇都宮ブリッツェンはじめ、国内勢は翻弄されてしまったが森林公園で行うロードレースはまた勝手がちがう。西村大輝監督は「明日は谷順成で少しでも上の順位を狙う。宇都宮ブリッツェンの選手たちの走りに期待してほしい」とコメント。赤いジャージの躍動を期待したい。

【阿部嵩之のレース後のコメント】

高速のコースでワールドツアーのチームが多かったため、これまでのようにトレック勢が集団をコントロールしてレースを作るわけではなく、どのチームもアタックして見せ場を作りたいというレースだった。正直それに翻弄される形になり、予想できることではあった。

 

(退団で宇都宮ブリッツェンのジャージを脱ぐことは)寂しいですね。移籍する次のチームが、僕が現役の間にジャパンカップに出られるかどうかはわからない。それくらい今のジャパンカップは選出されることが難しい。現役中にブリッツェンで走れたことは、幸せですね。

【沢田時のレース後のコメント】

パレードの時から人が多くてびっくりしたが、今日のレースはめちゃくちゃ速かった。前に上がるのが難しく、最後の2周でフォン(・チュンカイ)を引き上げたがそのまま前に残れなかった。でも調子は良かった。180度ターンでは「ブリッツェンがんばれ!」という声援が聞こえ、毎回コーナーのダッシュの時に力が湧いてきた。明日は寒くなりそうだが、最後まで走り切りたい。

▼ジャパンカップクリテリウム結果

1位 エドワード・トゥーンス(リドル・トレック) 0:40:59

2位 ライリー・シーハン(イスラエル・プレミアテック) +0:00

3位 アクセル・ザングル(コフィディス) +0:00

 

17位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +0:00

26位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +0:00

35位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +0:00

71位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +0:00

84位 小坂光(宇都宮ブリッツェン) +0:00

DNF 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)

 

 

※全リザルトはこちらから
https://www.japancup.gr.jp/sites/default/files/documents/2023/10/2023JC_Communique6_Result_CR.pdf