スタート時間が予定よりも2分遅れとなり、14時32分に男子エリート選手が一斉にコースに飛び出す。最前列スタートの小坂も勢いよく飛び出し、第1コーナーは前方でクリア。例年通りの様子でスタートして行ったかのように見えた。しかし、今日の小坂は明らかに様子がおかしい。1周目の序盤に先頭で走る副島達海
選手(大阪産業大学)からズルズルと後退していく。
2周目に入る頃には先頭とのタイムギャップは40秒差となり、粘る様子もなく次々と順位を落としていく。実は1か月前に新型コロナウイルス感染症を発症させ、約1週間トレーニングから離れていたのと、普段の生活では感じないが心拍数が上がると呼吸に違和感が出る。身体が上手く機能せずパフォーマンスが出せない中、それでもゴールを目指してペダルを踏み続ける。
優勝は、1周目から他を寄せ付けない走りを見せた副島選手。小坂は4分21秒遅れてゴール地点にたどり着いた。ガッカリした様子でチームピットに戻り、スタッフに「すいません…」と謝る小坂。シクロクロスシーズンはまだ始まったばかり。開幕戦は苦い結果となったが、元シクロクロス日本王者のプライドをかけ、必ず復調し、「光」走りをファンに届けるだろう。