30周という長い周回の中で、集団がジッとしていることはなく、11周目で追走集団ができたが、ここにしっかり乗ってきたのが沢田だ。2周で沢田たちが追いつき、宇都宮ブリッツェンは逃げに3名という体制に。
前日の予選会で全6名の選手を決勝に送ってきたのはシマノ、KINAN、ブリヂストンであったが、クリテリウムを得意とするブリヂストンが逃げにメンバーを入れておらず、集団でも動きを見せてないのが不気味なほどだった。しかしとうとう16周回目で集団の先頭を固め始めると、60秒あったタイム差が周回ごとに縮めていく。26周目には前が4名となり、谷が残って粘りを見せた。28周目になると集団はひとつになり、ブリヂストントレインは集団の先頭を譲らない様子であったが、残り2周では新加入の花田が先頭で揺さぶりを掛ける動きをし、赤いジャージが会場とレース中継を盛り上げた。
勝負は残り250mからロングスプリントを仕掛けた寺田吉騎選手(シマノレーシング)が優勝。前週のJBCF志布志クリテリウムに引き続きフィニッシュ前の単騎飛び出しで2連覇を飾った。
後方集団スプリントでは本多が2秒差で11位。「チームオーダーは、僕が後半の勝負所に備えるというものだった。11位は少し悔しいが、チームの中でゴールを狙うという役割が初めて回ってきたので、楽しくもあった」という本多。聞けば集団に合流した武山が本多につき、スプリントの位置取りを細かく指示し、そうして勝ち取った11位でもあった。その武山は、しっかりと谷を連れて46位でフィニッシュしている(谷が47位)。
西村大輝監督2年目の2024シーズン幕開けは「全員で戦う」が形となった好レースでスタートした。