残り4周回目には再び5人のパックが形成され、沢田、松本選手に加え、U23のアジアチャンピオンにもなった副島達海選手(大阪産業大学)と、これまで沢田と激戦を繰り返してきた宮津旭選手(OLIVE)、竹内遼選手(MERIDA BIKING TEAM)が入る。XCC日本一をかけて、この5名の戦いに絞られた。
仕掛ける場所は、ホームストレート直後の上りしかないと思っていた沢田は、残り2周回目の上りでアタック。それに付いてこられたのは宮津選手と松本選手のみ。沢田は落ち着いて宮津選手と松本選手を先に行かせた。
そしていよいよファイナルラップ。仕掛けどころの上りでライバルたちにとどめを刺すべく再アタック。ロードレースでも鍛えたその脚の爆発的な力は凄まじく、少し先行していた宮津選手を瞬く間に抜き去り、松本選手を遥か後ろに置いて行った。
フィニッシュは2秒後に宮津選手が迫る中、沢田選手は右手の拳を高々と上げてXCC日本一をつかんだ。2022年以来2年ぶり、エリートになってからは3度目のXCC全日本チャンピオンジャージとなる。
XCOのほうはたとえ勝ったとしても、レースカテゴリーが格上のアジアチャンピオンジャージを着なければならないが、XCCは今後1年間、沢田は日本チャンピオンジャージを着用する。沢田が2023年シーズンに宇都宮ブリッツェンへ移籍したときは、すでにXCCのチャンピオンジャージを獲得した状態であったが、チームとして日本チャンピオンつかんだ吉報を届けられるのは、2021年小坂光選手のシクロクロス全日本選手権優勝以来となる。明日のXCOも勝って、2枚の全日本ジャージを宇都宮へ持ち帰りたい。