▼レースレポート
前日のチームタイムトライアルでは見事トップタイムを叩き出し、2連覇と念願の今季初優勝を手に入れた宇都宮ブリッツェン。伝統あるクラシックロードでも小野寺玲の2連覇がかかっている。昨年は混戦のスプリント争いを制した小野寺玲の熱い走りに期待がかかった。
キャプテンの谷順成はレース前に「このレースはスプリント勝負になる可能性が高い。小野寺選手をしっかり導いて勝つことが第一目標。逃げ切りも可能性はゼロではない。積極的に動いて、逃げ切りでも戦えるようにしたい」と語り、シマノ鈴鹿ロードでの勝利を目指した。
鈴鹿サーキットの国際レーシングコース約5.8kmを反時計回りで10周する本レース。総距離約58kmと短期決戦になるため、スタート直後から選手たちは活発に動き、岡篤志選手(JCL TEAM UKYO)、新城雄大選手(KINAN Racing Team)、小林海選手(マトリックスパワータグ)、石上優大選手(愛三工業レーシングチーム)と有力選手が小さな逃げ集団を形成したが、メイン集団はそれを許さない。
宇都宮ブリッツェンは小野寺が積極的に前に出て集団をつなぎ、一つになった中で他チームの動きに注意を払う。阿部嵩之、本多晴飛もそれに続き、小野寺を援護するように前方でペダルを回す。
5周を終え、残り半分の時点で集団が割れた。阿部、本多を含む11名が抜け出しに成功し、後続とのタイム差を広げ始めた。宇都宮ブリッツェンにとっては逃げに選手を送り込めたことで、スプリンター小野寺の脚力を温存できる展開がやってきた。だが11名には、JCL TEAM UKYOの小石祐馬選手と岡選手、マトリックスパワータグのホセビセンテ・トリビオ選手ら強力なメンバーが含まれているため油断はできない。逃げ集団は後続に1分ほどタイム差をつけた。