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2023/07/09 レース

【レポート】第36回全日本自転車競技選手権大会 マウンテンバイク XCO

第36回全日本自転車競技選手権大会 マウンテンバイク XCO

 

▼開催日

2023年7月9日(日)

 

▼スタート&フィニッシュ

富士見パノラマリゾート(長野県諏訪郡富士見町富士見 6666-703)

 

▼出場選手

沢田 時

 

▼競技概要

富士見パノラマリゾート スタートループ1.2km+4.2㎞✕5周回

出走:81名

スタート時の天気:曇り時々雨

スタート時間:14:00

▼レースレポート

前日の全日本選手権マウンテンバイクのXCCに引き続き、今日はXCOのレースがおこなわれた。

 

ディフェンディングチャンピオンで三連覇を狙ったXCCが5位に終わり、悔しさを隠せなかった沢田であったが、前日は早く寝て、気持ちもスッキリと決戦の朝を迎えられたと言う。むしろ「このままでは終われない」という闘志が湧き、心配されていた雨も「気にしたって仕方がない」とコメントするほど、とにかく「やるしかない」という強い気持ちで全日本2日目の会場に姿を現した。

 

「やってきたことに自信はあるので、結果はついてくると信じて」

 

そう断言した沢田。宇都宮ブリッツェンに移籍してきて、チームメイトとの高強度のロード練をこなすようになったし、気軽にアクセスできるMTBの練習コースもあるし、環境が良くなっただけに、それが自信に繋がり、また、前日XCC5位の「自分にガッカリした」というコメントにも繋がった。

 

XCC5位に入ったため、XCOは最前列からのスタート。雨はまだ降っていなかったが、前日の雨でコースコンディション悪化のため、予定されていた6周回が5周回となった。まずは1.2㎞のスタートループを走り、平林 安里 選手(TEAM SCOTT CHAOYANG TERRA SYSTEM)が先頭を行き、北林力選手(TEAM Athlete Farm SPECIALIZED)、沢田が続く。

 

そして本コースの4.2㎞の周回コースに入ると、北林選手がアタックを仕掛け単独に。その強力な飛び出しに沢田選手は反応できず、4名の2位集団が形成された。メンバーは沢田に加え、平林選手、宮津 旭 選手(PAXPROJECT)、竹内 遼 選手。

 

そのまま北林選手は独走し、その差を30秒、50秒、1分と広げていく。追走4名は変わらなかったが、残り2周で平林選手がドロップして3名に。

 

ファイナルラップも北林選手は独走を続け、周囲も北林選手優勝を確信し始めたころ。コントロールライン通過後しばらくしてから出てくる上りで、沢田が単独アタック。後続をぐんぐん引き離し、独走で追走を開始する。

「2位争いとはいえ、あの後続集団の中で先着することは意味があると思った」と言う沢田は、「トッキー!」の大声援を背中に受け、3位に11秒差をつけて2位の表彰台を確保。優勝は北林選手、3位は追い上げを見せた平林選手が入った。

 

単独アタックを仕掛けた最終周回(5周回目)の沢田選手のラップタイムは15分51秒。優勝した北林選手は、独走で余裕があったとはいえ16分。もっと言うと沢田選手の4周回目のラップタイムは16分11秒なので、一番苦しい最終周回で、沢田選手は自分自身に勝ち、全日本2位をもぎ取った。

 

「最終周のアタックは、レース中に決めた。それまで4周回走って、あの上りでペースが緩むことがわかっていた。そこで突き放せれば、そのあとの長い下りに先頭で入れる有利なポイントだった。それまでの4周回で勝負どころがどこか見極めていた」と言う沢田選手。

 

今回2位に入ったことで、沢田は10月26日からインド・パンチクラで開催されるアジア・マウンテンバイク選手権大会の日本代表に内定。前回レースのやわたはま国際で優勝し、9月23から中国・杭州で開催されるアジア競技大会の代表にも決定しているため、これからは海外遠征も含めた調整が始まる。そしてこれらの海外レースは、来年のパリ五輪への出場へ通ずる。五輪代表にはアジア選手権での優勝が必須だが、その優勝のためにも、まずはアジア大会で優勝してライバルたちを遠ざけたい。宇都宮からパリのオリンピアンを輩出するべく、チームも完全なバックアップ体制で前進していきたい。

【沢田時のレース後のコメント】

全日本なのでやはり勝ちたかった。でも勝てなかったのは、やはり北林選手が強くて、自分の脚が足りなかったのだと思う。それだけ。ただ2位になれたのは、応援していただいた方々と、サポートしていただいた方々のお陰。レース中は苦しかったが、本当に…、応援のお陰。

 

北林選手のアタックにはついて行けなかったというのが正しい答え。もちろん頑張れば一瞬はつけたかもしれないが、あのペースで行くと5周は持たないという判断をした。

 

2位を争っていたメンバーの力は互角で、その中で自分は昨日のXCCで5着という順位で、その雪辱を果たしたかった。正直自分に負けそうな場面もあったが、2位争いとはいえ、あの後続集団の中で先着することは意味があると思った。そこで負けなかったのは自信になった。

 

最終周のアタックは、レース中に決めた。それまで4周回走って、あの上りでペースが緩むことがわかっていた。そこで突き放せれば、そのあとの長い下りに先頭で入れる有利なポイントだった。それまでの4周回で、勝負どころがどこか見極めていた。

 

全日本2位に入り、セレクション規定通りにいけば、これでアジア選手権出場は内定したはずだ。まずはアジア大会で優勝したい。そのアジア大会では、次のアジア選手権の出場メンバーの脚もわかる。アジア選手権優勝は、パリオリンピック代表入りがかかっている。アジア大会までまだ3か月あるので少し休み、今年一番の目標にしているアジア選手権優勝へ向けて、最強の状態に仕上げていきたい。

 

(最後に応援していただいた皆さんに向けて)昨日のXCCは5位で自分にもガッカリしましたが、現地でも応援いただき、SNSなどを通しても声を掛けていただき、それが今日の力になりました。お陰様で、今日、自分にできる最高の走りと結果を出すことができました。ありがとうございました。また頑張ります。

▼リザルト

1位 北林 力(TEAM Athlete Farm SPECIALIZED)1:22:49

2位 沢田 時(宇都宮ブリッツェン)        +1:05

3位 平林 安里(TEAM SCOTT CHAOYANG TERRA SYSTEM)+1:16

 

※全リザルトはこちら

https://www.wsresult.com/