▼レースレポート
5月21日~28日までの8日間、全8ステージで行われる日本最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン(以下TOJ)」が開幕した。昨年はCOVID‑19の影響を受けて後半の4ステージのみに短縮され、8日間8ステージのフル開催は実に4年振りとなる。
TOJ本大会の前に、この日は堺ステージ独自レースとして「堺国際クリテリウム」が開催された。堺市といえば日本が誇る自転車パーツメーカーで、宇都宮ブリッツェンにもパーツ供給を行う「シマノ」が本社を構えることで有名だ。サイクルシティ堺として、独自レースやイベントを行うことで自転車文化を盛り上げた。
その堺国際クリテリウムは1周2.7kmのコースを10周する合計27kmで行われ、沿道の観客たちの目を釘付けにした。レースは決定的なアタックも決まらぬまま終盤を迎え、宇都宮ブリッツェンは阿部嵩之とフォン・チュンカイが前方をうかがいながら、小野寺玲のスプリント勝負に向けてフォローする。最終コーナーでフォンのアシストを受けて発射した小野寺は2位に食い込み、表彰台を獲得。本レースに向けて幸先の良いスタートとなった。優勝はギリシャ出身のゲオルギオス・バグラス選手(マトリックスパワータグ)。
TOJ初日、第1ステージは大阪府堺市の大仙公園周辺を舞台にした個人タイムトライアル(TT)。今大会は西村大輝監督が挑む初めてのUCIレースであり、初の大舞台だ。チーム一丸となって新しくなった赤いイナズマの存在をアピールしたいところ。
レース前、チームキャプテンを務める谷は「4月、5月とこのレースを目標にチームを高めてきた。僕自身としては8ステージは初めてだが不安はない。しっかりと総合上位を目指していき、各ステージでも区間優勝を目指せる布陣だと思う。チームをまとめて素晴らしい8日間にしたい」と語っている。
谷自身についても「すごいいい状態で来れた。 富士山ステージが一番タイム差がつきやすい。力の差が出るため総合を争う上では重要になるが、それまでのステージで遅れては意味がない。自分にも勝つチャンスはあると思うので、臆せずに攻めていきたい」と意気込みを見せた。