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2023/04/29 レース

【レポート】iRC Tire Presents KINAN AACA カップ第3戦

iRC Tire Presents KINAN AACA カップ第3戦

 

▼開催日

2023年4月29日(土)

 

▼スタート&フィニッシュ

国営木曽三川公園長良川サービスセンター(岐阜県海津市海津町福江字角山1202-2)

 

▼出場選手

阿部嵩之、フォン・チュンカイ、堀孝明、谷順成、沢田時、小野寺玲、中村魁斗、本多晴飛

 

▼競技概要

国営木曽三川公園長良川サービスセンター前特設コース 1周5.1km×20周=総距離102㎞

 

出走:50名

 

スタート時の天気:晴れ

 

スタート時間:11:30

 

▼レースレポート

 

長良川の河川敷でおこなわれたiRC Tire Presents KINAN AACA カップ第 3 戦。ホビーレーサーが気軽にレースに出られるよう開催されているシリーズ戦だが、今回は少し様子が違った。宇都宮ブリッツェンはフォン・チュンカイを含む8名を投入。5月21日から始まるツアー・オブ・ジャパンまでレースが少ないため、VC FUKUOKA、レバンテフジ静岡、ヴィクトワール広島など今季勢いのあるチームも、ほぼフルメンバーを揃えて参戦してきた。

 

フォンは、10日ほど前に宇都宮に本格移住して活動を開始。新しいメンバーとのコミュニケーションを深めながら日本のレースに慣れていくためには、こうした実戦で経験を積んでいくことが一番だ。長い車移動やチームメイトとの宿泊も、新生宇都宮ブリッツェンにとっては1つ1つが貴重な時間と言えよう。

 

レースは河川敷を折り返すレイアウトで、この日は往路が追い風、復路が向かい風とハッキリと分かれ、しかも最後は風速5mにもなり、出店テントは畳まなければならないほどであった。

 

そんな中、スタート2周目で早くも8名の逃げが形成され、チームとしてはフォン、堀孝明、本多晴飛の3名を送り込むことに成功。全20周中半分を過ぎたころにはフォン、横塚浩平選手(VC FUKUOKA)、高梨万里王選手(レバンテフジ静岡)、レオネル・キンテロ選手(ヴィクトワール広島)の4名に絞られ、このとき集団との差は1分30秒ほどに。4人はその差をキープしながら逃げ続け、他の宇都宮ブリッツェンのメンバーは、集団で次の展開に待機しつつも、残り3周ではグルド・ダニエル選手(レバンテフジ静岡)、久保田悠介選手(ヴィクトワール広島)の飛び出しに堀がしっかりとチェックに回るなど、組織的にレースを動かしていった。

 

逃げはキンテロ選手が脱落して3名となったが、いずれにしても逃げを牽引し、加速させていたのはフォンだった。総距離102㎞と長丁場のレースではあったが、昨年までワールドツアーチームに所属していたフォン選手は、いつも倍以上のレースを走っていた。とは言え、どんな小さなレースでも「優勝」となると難しい。フォンは、先頭固定のような形で長い時間引くことも多く、スプリントの相手は3月の富士クリテリウムチャンピオンシップ、2週間前の九州チャレンジロードレースで優勝した横塚選手だ。

フィニッシュ前はまず高梨選手が先行。次に、最終コーナーを先頭で入る様子を見せた横塚選手がコーナー手前で飛び出すが、なんとその最終コーナーで力強い加速をしたフォン選手があっという間に横塚選手をかわし、90㎞以上を逃げてきたとは思えない堂々たるスプリントを見せて、来日初優勝を遂げた。

 

フォンは3月頭のツール・ド・台湾では強豪相手のスプリント勝負でステージ4位に入り、4月頭のツアー・オブ・タイランドでは台湾代表チームのスプリンターを牽引して、ステージ4位3回獲得に貢献するなど、脚の調子の良さを見せていた。JCL栃木開幕戦2連戦は、出国時の発熱で出場を断念してしまったが、出場していればレースが違っていたであろうなと思わせる走りを、この日、内外に示してくれた。調整レース的に出場した大会であったが、フォンのレースを実戦で知ることができたのはチームとしても大きい。開催に尽力された関係者の方々に感謝したい。

 

次はいよいよ5月21日からのツアー・オブ・ジャパンだ。国内最大のステージレースで、2019年以来の全8ステージで開催される。フォンが再び、周囲に「さすが」と言わしめる強さを魅せるのか。また、フォンの存在がある中での宇都宮ブリッツェンは、どのように戦っていくのか。ぜひ期待していただきたい。

【フォン・チュンカイのレース後のコメント】

日本に来て初めての本格的なレースだった。逃げに乗るのが少し早いかなとも思ったが、問題なかった。私たちは強力だったし、堀も本多も逃げを加速してくれた。他のチームメイトも集団をコントロールしてくれたお陰で、最後、スプリントをすることができた。私が勝利する環境を作ってくれたチームメイトに感謝したい。そして、すべてのスポンサー、ファンの方々に感謝したい。次のツアー・オブ・ジャパンも、宇都宮ブリッツェンのチームメイトと初めて走るが、共にいいレースができると思っている。とても楽しみだ。引き続き、皆様のサポートをお願いいたします。

 

▼リザルト

 

1位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン)

 

2位 横塚浩平(VC FUKUOKA)

 

3位 高梨万里王(レバンテフジ静岡)

 

 

5位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)