▼レースレポート
第2回 富士クリテリウムチャンピオンシップが4日開幕。宇都宮ブリッツェンをはじめとするUCI国内コンチネンタルチームや全日本実業団自転車競技連盟、日本学生自転車競技連盟の選手たちが富士山麓を駆け抜けた。
4日の予選では、小野寺、阿部、本多、谷、中村が決勝に駒を進めた。沢田は、ゴール前で発生した落車を避けきれず予選敗退。決勝は沢田の悔しさと応援を背負い、5名での出走となった。
決勝レースの5日は、前日の晴天とは打って変わり朝から曇天。ウォームアップ中から冷たい風が吹き、スタート直前には小雨が降り出した。
大勢の観客やサポーターが見守る中、レースはスタート。コースはほとんど平坦だが、フィニッシュ手前に緩い勾配がある。各チーム勝てる選手が決勝に残り、優勝候補が揃う、まさに頂上決戦となった。シマノレーシングやキナンなど、逃げの勝利を狙ってくるチームも想定される今レース。スプリントだけでなく、逃げの展開への警戒も重要なミッションだ。
愛三やキナン、ブリヂストンなどが積極的なアタックを繰り返すが、3分の1となる10周目を終えても集団は一つ。ブリッツェンは集団前方で固まり、阿部や谷、本多らが危険な逃げをすかさずチェックする。雨足が徐々に強まり、路面は完全にウェットに。コーナーの速度が落ち、集団内のインターバルが激しくなる。本降りとなった冷たい雨が選手たちの体温を奪い、寒さとの戦いも強いられる。
16周目にして逃げが決まり、11人ほどの先頭集団が形成される。ブリッツェンからは谷キャプテンが加わるが、キナンやブリヂストン、愛三やシマノなどのスプリンターが複数入り危険なエスケープ。メイン集団を先頭でブリッツェンがコントロールするも、ペースが上がらず逃げとの差は縮まらない。20周目で、エース小野寺が自ら他チームの選手と共にブリッジをかけ先頭を追う。残り9周に迫り、小野寺はメイン集団に吸収される。先頭集団との差は依然として縮まらず、タイム差は約30秒。逃げ切り勝利が決まってしまう可能性が段々と高まる中、周回を重ねていく。そんな中、雨や風の負荷が大きく、阿部が寒さでリタイアとなってしまう。