JCX第10戦 Champion System × 弱虫ペダル シクロクロス東京2023
▼開催日
2023年2月12日(日)
▼スタート&フィニッシュ
東京都立お台場海浜公園(東京都港区台場1-4)
▼出場選手
小坂 光、沢田 時
▼競技概要
東京都立お台場海浜公園特設コース1周約2km×11周
出走:30名
天気:晴れ
スタート時の気温:14度
スタート時間:13時55分
▼レースレポート
東京・お台場にシクロクロス東京が帰ってきた。TOKYO2020の影響やコロナ禍に翻弄され、5年ぶりの開催となった今大会。お祭り的な雰囲気でその場が満たされる人気の大会で、選手にとってはJCXシリーズ最終戦となる大事な一戦だ。
宇都宮ブリッツェンからは、今年に入ってもコンスタントに出場を続けていた沢田時に加え、ケガでしばらく休養を余儀なくされた小坂光が出走。小坂は昨年12月にレース中の落車で上腕骨を骨折。多くの方の協力を経てケガから1か月後の全日本選手権には出場したものの、痛みが出たのと、今後のことを考慮し、その後2戦をパスした。宇都宮ブリッツェンは今年初めてシクロクロスチーム2名体制となったが、全日本選手権以来の2名が揃うレースとあって、多くのファンがお台場に駆けつけた。
お台場は海浜公園の名の通り砂浜が特徴だ。金曜日の雪で日曜のこの日の天気も心配されたが(2014年は大雪警報が出て中止となった)、気温は14度まで上がり、ジャージは半袖で済むほど。風速が4mとやや強めなのが気になるところだが、最終戦を飾る絶好の天気と言っていいだろう。
ライバルはやはり織田聖選手(弱虫ペダル)。このシクロクロスシーズンは無敗ですべて独走勝利。ただ、1週間前にオランダで行なわれたシクロクロス世界選手権に日本代表として出場しており、集中力の持続や疲れ、時差ボケが懸念されるところだった。
予定通り13時55分にレーススタート。幾重にも重なったギャラリーの花道をトップで通過し、ホールショットを取ったのは沢田だ。小坂もそれに続き、2周目に入っても1位沢田、2位小坂の順で進む。ただここで2人を一気に抜きに掛かったのが竹之内悠選手(Cinelli - Vision)だ。竹之内選手は砂セクションの走行を得意としており、そのなめらかなペダリングはライバルたちも惚れ惚れするほど。
5周目に入ると沢田と竹之内選手が先頭を形成。そして13秒遅れで3位につけていたのが、前大会のJCX第9戦愛知牧場で優勝をした竹内遼選手(GHISALLO RACING)だ。小坂は4周目にサンドセクションのミスで6位に後退。そして注目の織田選手は11秒差の4番手で、ここまで一度も先頭を走らずにきていた。
6周目になると、得意の砂地で竹之内選手が沢田を突き放しにかかる。必死に食らいつく沢田。そして7周目では竹之内選手が最速ラップをたたき出して沢田に10秒ほどのアドバンテージをつけると、一気に独走体制に。また竹内選手が沢田をかわし、1位竹之内、2位竹内、3位沢田の順で8周目に。
9周目に入ると竹内選手がシケインで落車をしてしまい後退し、沢田が2位に浮上。しかし竹之内選手の背中は遠く、その差は42秒。小坂は6番手をキープ。
ファイナルラップも竹之内選手が独走で先頭を走り、そのままフィニッシュへ。沢田は最後まで全力でペダルを踏み続け2位、小坂は最後まで集中力を切らさず4位まで順位を上げ、世界選出場凱旋レースとなった織田選手は途中落車などもあり、トップと3分21秒差の6位に終わった。
シクロクロス名物カウベルの音があちこちで響き渡るお台場で、シクロクロスシーズンを終えた小坂と沢田。宇都宮からも多くのファンが応援に駆けつけ、熱い思いを共有した。チームとしてはJCX第8戦ざおうさまCUP1勝のみのシーズンとなってしまったが、2名体制はまだ始まったばかり。これから1年、2名が協力して研鑽を積み、また今冬には、私たちに新しい景色を見せてくれるに違いない。
その前に、昨年より本格的にロードレースへの参戦を始めた沢田の“シーズンイン”にも期待して欲しい。小坂もこのままロードレースシーズンに入る。また沢田はMTBのアジア選手権を取れば、来年のパリオリンピック出場を決めることとなる大事なレースも控えている。
宇都宮ブリッツェンは歩みを…、いやペダリングを止めることはない。2022-2023シクロクロスシーズンへのご声援に感謝申し上げたい。お陰様で、シーズンランキングは2位沢田、3位小坂と、ベスト3の内2人も宇都宮ブリッツェンで占めることができた。これもひとえに皆様のご支援、ご協力おかげと厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
【小坂光選手のレース後コメント】
1か月ぶりのレースで、序盤のペースがキツく、中盤は足が重くなってしまった。でも終盤は集中し直して4位。できれば表彰台に乗りたかったが、ケガも治ってきて、フィジカルも順調に戻ってきているので、また次シーズン頑張りたい。今シーズンもたくさんの応援ありがとうございました。ケガで思うようなシーズンにはならなかったが、常に応援してくださるサポーターの皆さんのお陰で頑張ってこられた。次は皆さんにもっといい結果を伝えられるように頑張りたい。
【沢田時選手のレース後コメント】
スタートも決まって、作戦通りで、竹之内選手との一騎打ちに持ち込めた。キツかったが、チャンスはあるなと思って走っていた。ただやはり、砂区間の差が埋められなく、悔しい結果となった。悔しいが、今回も出し切った2位。これは次に繋がる2位と思って、成長していきたい。JCXランキング2位と3位で、今日もこの赤いジャージで先頭を走ってとても目立っていたと思うので、次のシーズンはワンツーで終えたい。シクロクロスシーズンとしてはシーズン途中の移籍となったが、快く迎えてくれて、たくさん応援していただいて嬉しかった。ありがとうございました。
▼リザルト
1位 竹之内悠(Cinelli - Vision)
2位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +0:52
3位 竹内 遼(GHISALLO RACING) +1:17
4位 小坂光(宇都宮ブリッツェン) +1:53
▼2022-2023シーズン終了後のJCXランキング
1位 織田聖(弱虫ペダル)
2位 沢田時(宇都宮ブリッツェン)
3位 小坂光(宇都宮ブリッツェン)
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