強風の中、2人がハイスピードでマッチアップする傍らで、スタート時には72名いた選手も、80%ルールで降ろされる選手が続出し、残り2周にはとうとう41名に。2人はお互い高負荷を掛けて走りながらも、冷静に仕掛けどころを模索する様子。竹内選手が前を引く時間が長く、沢田は後ろでリカバリーを意識していたのか、見えない駆け引きが続いていた。
そしてファイナルラップへ。長いランデブーに別れが告げられたのは、フィニッシュまで200mあたりに設置されたシケインだった。わずかに先行してシケインをクリアした竹内選手が、そのままの勢いでフィニッシュラインに飛び込み1秒差で優勝。2人は後続を1分36秒も離して圧倒的な強さを見せたが、わずか1秒の差は勝負の世界では大きく、沢田は惜しくも2位となった。ただ、優勝した竹内選手は、このところ成長著しい25歳で、2週間前の全日本選手権ではスタート直後の落車に巻き込まれ、ほぼ最後尾スタートの状態から6位まで上げた猛者だ。2人とも全日本の悔しさを抱えつつ、真っ向勝負した結果と言える。
次回は2週間後のシクロクロス東京。JCXの最終戦だ。小坂の出場はまだはっきりは言えないが、ワンツーフィニッシュを期待してもいいだろう。なぜなら彼らは、勝つためにスタートしているのだから。