▼レースレポート
チームの地元、宇都宮市にある道の駅うつのみやろまんちっく村で開催されたJCX series 第6戦 カンセキpresents2022宇都宮シクロクロス Day1(UCI2)。1周2.8㎞の中に階段や砂セクションなど見どころの多いコース設定に加え、飲食や物販の出店、エンデューロレースや、MTB乗車体験、キックバイクコースの設置など、幅広い層のファンが集まる工夫が凝らされたアットホームな大会だ。コロナ禍で中止が続き、3年ぶりの開催となる。
現全日本チャンピオンである宇都宮ブリッツェンの小坂光は試走を終え、「基本的にはハイスピードコースではあるが、霜が降りて芝生がはげたり、ぬかるんだりしているところもあり、特にコーナーはスリッピーになっていて、落車などミスをすると差が出る。テクニックもスピードも求められる、バランスのいいコース」と今日のコースコンディションを語る。また、全日本チャンピオンジャージで走る地元レースだけに、「このジャージで勝つのを目標に今シーズンやってきた。調子もいいので頑張りたい」と、より一層の気合をあらわにした。
予定通り14時45分スタート。第一コーナーは3番手。先頭は今季負けなしの織田聖選手(弱虫ペダル)が行く第1周回で、小坂は変速トラブルでピットインを余儀なくされる。結果、6番手あたりまで順位を下げるが、地元の大声援に後押しされる形で猛追し、先頭まで6秒差に迫る4番手に浮上。全8周回中残り5周回では3位に番手を上げるが、再びピットインとなりバイクチェンジ。ここで小坂は4番手に。
残り2周、2番手を行く沢田時(ブリヂストン)の背中を小坂が捕らえる。来季からチームメイトとなる沢田・小坂のテール・トゥー・ノーズに会場のボルテージも一気に上がり、残り1周でついに小坂が沢田選手に並ぶ。先頭の織田選手とは37秒差。
多くのファンのために魂の走りを続けた小坂は、序盤の遅れで脚を削ったのが影響し、最終的には3位フィニッシュ。ただ、バイク交換のためのピットインが2回あった中での表彰台獲得は、「全日本チャンピオンジャージで宇都宮シクロクロスを勝ちたい」という強い思いの表れか。表彰台では、2位に入った沢田選手と固い握手を交わすシーンも。沢田選手にとっては、ブリヂストンサイクリングのジャージで出場する最後のレース。明日のDay2もこの2人に注目しつつ、今季最大の目標である全日本チャンピオンでの表彰台頂上を目指す小坂にも期待をしたい。