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2022/11/13 レース

【レポート】第34回ツール・ド・おきなわ2022 男子チャンピオンロードレース(JCLポイント付与対象レース)

第34回ツール・ド・おきなわ2022 男子チャンピオンロードレース(JCLポイント付与対象レース)

 

 

▼開催日

2022年11月13日(日)

 

▼スタート&フィニッシュ

21世紀の森体育館前(沖縄県名護市大南2丁目11号)

 

▼出場選手

阿部嵩之、堀孝明、小野寺玲、中村魁斗、宮崎泰史

 

▼競技概要

沖縄県北部地域 総距離:210km

出走:68名(14チーム)

天気:雨のち晴れ

スタート時間:6時45

 

 

 

 

▼レースレポート

 

2022シーズンもいよいよラストレース。清水裕輔監督が指揮する宇都宮ブリッツェン最後の公式戦は、3年ぶりの開催となるツール・ド・おきなわ 男子チャンピオンロードレースだ。6月下旬の大雨でコースが一部変更となったが国内レース最長距離となる200kmの長丁場は変わらない。沖縄県北部の海沿いを中心に走るコースはアップダウンも多く脚力が試され、UCI(国際自転車競技連合)のアジアツアークラス1.2として行われるが、今年は国内14チームによる争いとなった。

 

 

宇都宮ブリッツェンにとってツール・ド・おきなわは、増田成幸が過去3度の優勝(2014、2016、2019年)を成し遂げた相性のいいレース。だが、増田は10月22日開催の湧水の郷しおやクリテリウムでの落車で大ケガを負ってしまい戦列を離れ、今大会はスプリンターの小野寺玲を中心とした布陣で挑んだ。

 

 

まだ薄暗い6時45分にスタートし、最初に動いたのは宮崎泰史だ。時計が7時を回るころ、集団からスルスルと単騎で飛び出すとそのまま逃げることに成功。独走力のある宮崎はライバルチームにとって脅威だが、フィニッシュまで5時間を越えるレースだけに序盤の逃げは容認されたようだ。

 

 

今シーズンからチームに加入した宮崎。新人賞を獲得した5月のツアー・オブ・ジャパンをはじめ、JCLシリーズ戦ではアシストとて記憶に残る走りを何度も見せたものの9月に体調を崩し、10月のジャパンカップも本調子で臨めなかった宮崎。この日は一人旅を始めるとどんどん集団との差を広げ、気がつけば11分差のアドバンテージを得ることに。2回ある山岳賞ポイントはもちろん連続でトップ通過だ。

 

 

残り60kmが見えてきたころ、宮崎は集団から飛び出していたバトムンク マラルエルデン選手(レバンテフジ静岡)に追いつかれそのまま後退。間も無く宮崎は集団に吸収された。100km以上に渡る孤独な逃げは終わってしまったが、この日の走りは来季への自信につながるはずだ。

 

 

残り50kmを切って、マラルエルデン選手と集団の差は4分20秒ほど。ロードレースと個人タイムトライアルの両種目でモンゴル選手権を制した経験のある選手だけに、集団もあまりのんびり構えてはいられない。すっかり青空になった空の下、じわじわとタイム差を詰めていく。残り40kmでタイム差は2分30秒を切り、残り35kmで1分ほどになった。

 

 

残り30kmを前にしてマラルエルデン選手は吸収され、そこから集団が一気に活性化。宇都宮ブリッツェンからは阿部嵩之が前方に出て揺さぶりをかける。前半は宮崎が逃げ続けたため、チームメイトは集団内で脚を休ませておくことができた。次に動いたのは小野寺だ。新城雄大選手(キナンレーシングチーム)、エンクタイヴァン ボローエルデン選手(レバンテフジ静岡)と共にアタックをかけた。吉岡直哉選手(チーム右京)もそれに続く。

 

 

登り坂に差し掛かると、小野寺は後ろを気にしながらもペダルを踏み独走を始める。スプリンターとされる彼だが、個人タイムトライアルでも上位に来るほどの独走力も兼ね備えている。後続とのタイム差は残り20kmで1分になった。

 

 

後続はチーム右京の3選手が牽引して小野寺の背中を追う。残り10kmでタイム差は20秒まで縮まり、番越トンネル手前で小野寺は捕まってしまった。トンネルを抜けて仕掛けたのはベンジャミ プラデス選手(チーム右京)だ。ライバルたちを振り切る圧倒的なパワーで坂を駆け上ると、そのままフィニッシュのある市内まで突っ走る。独走でツール・ド・おきなわ初優勝を飾った。

 

 

宇都宮ブリッツェンは宮崎が山岳賞を獲得し、最高位は阿部の6位だった。

 

【清水裕輔監督のレース後コメント】

挑戦したいことは全部トライしてくれた。結果は山岳賞と6位でいい結果だと思う。どんな状況でも優勝を目指す動きをしていきたかったが、みんな協調してやってくれた。優勝したかったが、レース展開、結果も含めて完全燃焼することはできた。ありがとうございました。

 

 

【宮崎泰史のレース後コメント】

今日はアベタカさんとレイさんで勝負したいというオーダー。前半アベタカさんがマークされていたので集団を落ち着かせたく思い、ちょっと逃げたら容認してくれた。今は(体調を崩した後の)リハビリトレーニングで制限をかけて3時間ぐらいしか乗っていなかったので、今日も3時間なら持つかなと思った。清水監督にKOM(山岳賞ポイント)までがんばれと言われ、KOMまで全開で行ったらあとはバテた。9月から体調を崩しチームに貢献することができず、今年最後のレースでブリッツェンの名前を轟かせることができてよかった。多少なりとも復活した姿を見せることができたので、オフもしっかり練習して来季も活躍できるようにがんばる。応援ありがとうございました

【小野寺玲のレース後コメント】

宮崎の逃げでレースがゆっくり進んだ。こんな感じのレースだったかなぁ……と思い出しながら走り、余裕を残すことができた。後半の上り勝負に向けて冷静に走るつもりでいたが、最後は自分の勘違いからこういう結果になってしまった。(後半の単独アタックは)僕自身も無謀だと思った。自分としてもタイミングよく抜け出せて考えていた通りにアドバンテージが取れそうだったが、各選手(新城、吉岡)の脚の残り具合が違っていてペースが上がらず、僕の焦りもあった。それで独走に持ち込んだが、僕は増田さんではないのでそこまでの脚がないのはわかっているはずだったが冷静さを欠いて欲を出してしまい、ああいう展開に持っていってしまった。

 

今年は序盤からおきなわまで調子も安定して走りきることができた。おきなわで結果は残せなかったが、JCLで個人総合優勝と悲願だったロードレースでの優勝を達成した実りあるシーズンだと思う。皆さんの応援のおかげです。ありがとうございました。

 

【阿部嵩之のレース後コメント】

嬉しさ半分、悔しさ半分。UCIレースで6位は悪くないので嬉しさ半分。1・2・3位以降の集団にいたが、そこでアタマを取れなかったのと、後半に小野寺が逃げたがその動きを僕が代わりにやれていたらチームとして違う成績が出せたかもしれない悔しさ半分がある。(点数をつけるなら)60点ぐらいは欲しいが、勝ててないと低くなってしまう。応援ありがとうございました。

▼リザルト

1位 ベンジャミ プラデス(チーム右京) 5:13.37

 

2位 山本元喜(キナンレーシング) +0:29

 

3位 ホセ ビセンテ トリビオ(マトリックスパワータグ) +0:35

 

6位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)

 

14位 中村魁斗(宇都宮ブリッツェン)

 

23位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)

 

49位 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)

 

56位 宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)

 

山岳賞 宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)