▼レースレポート
前日に引き続きJCXシリーズ第4戦となるラファ+弱虫ペダルスーパークロス野辺山が、長野県野辺山の滝沢牧場で開催された。第3戦と少し違うのは、今大会はUCIレースに指定されているという点だ。上位10名まで40、30、20、15、10、8、6、4、2、1 のUCIポイントがつき、コロナ禍前まではそのポイントを求めて外国人選手の姿もあったが、今年も海を超えてのわざわざの参戦はなかったようだ。また、80%ルールと言って、先頭のラップタイムの80%分遅れた選手はレースを降ろされるルールが適用される。前日小坂は、織田聖選手(弱虫ペダル)とテールトゥノーズの展開を繰り広げながらも、残り2周回は周回遅れの選手が間に入るなどして、自身のリズムが取りにくい面もあったので、その点は少し解消されると言えよう。
JCX第2戦の幕張クロスで落車し、肩を痛めた小坂は、前夜、フォームローラーとマッサージガンを使って入念にケアし、得意の野辺山に臨む。
前日からこの2日目の天候についての会話が、会場内で交わされていた。予報はコロコロと変わり、ウェアとタイヤのチョイスに誰もが迷う状況だった。当日のおおかたの予報は「今日は降らない」というものだったが、結局、スタート15分前頃からポツポツと雨が落ちてきた。とても微妙なタイミングで、急遽タイヤを換えるか否か。時間はあると言えばあるが、気持ちは落ち着かない。小坂はそのままのセッティングでスタートすることをチョイスする。
スタートは、濡れた路面が非常にスリッピーで、どの選手も慎重になった。小坂も5番手でのスタート。1周回目はそのまま進むも、2周回目は3番手まで浮上。この頃から雨脚が強くなり、ピットもバイク交換の動きが出てきた。小坂も1度目のピットイン。キャニオン(コース上に設定された、大きな溝を飛び越えなければならない障害セクション)を飛び越えた際、その衝撃で電動のディアディレーラーがセイフティモードに入り、変速が固定されてしまったためだ。パンクでのピットインではなかったため、少し痛い足止めとなった。その後も雨は激しくなり、タイヤをレイン対応にするために再びピットイン。
一時は2番手まで浮上し、先頭を行く織田選手を捉えたかったが、脚が削られていった小坂は3番手でフィニッシュ。刻々と変わる天候に苦しめられ、「これほど降るとは思っておらず、今回の小石の多いコースでのパンクリスクを避けるため、空気圧を高めに設定していて、雨の芝生エリアは滑って非常に走りにくかった。自分で判断して決めた空気圧なので、そこは今回ミスをしてしまったかなと思う」と悔しさをにじませた。ただ2日連続の表彰台。「走りの調子はよく、第1戦の土浦から比べると、徐々に調子が上がってきている」と小坂。次戦は来週20日の関西シクロクロス琵琶湖グランプリ。上り調子のまま今季初の関西でのレースに挑む。