JCL第12戦 秋吉台カルストロードレース
▼開催日
2022年10月30日(日)
▼スタート&フィニッシュ
Mine秋吉台ジオパークセンターKarster前(山口県美祢市秋吉町秋吉11237−862)
▼出場選手
阿部嵩之、小坂光、堀孝明、小野寺玲、中村魁斗、及川一総
▼競技概要
Mine秋吉台ジオパークセンターKarster周辺を周回29.5km×4周 総距離:118km
出走:51名(10チーム)
天気:晴れ
気温:20度
風速:1.4m/s
スタート時間:10時00分
▼レースレポート
JCLの最終戦となる秋吉台カルストロードレース。特別天然記念物「秋芳洞(あきよしどう)」の上に広がる日本最大のカルスト台地が舞台で、2011年の山口国体でも使用されたダイナミックなコースが魅力だ。1周29.5kmを4周回、総距離118km。中級山岳とも言える上りの厳しいコースで、10分弱上り続ける箇所もあるほど。特にフィニッシュまで残り1kmの勾配が平均勾配10.8%と厳しく、スプリンターの小野寺玲は「周回を重ねるごとにその勾配が厳しくなるように感じる」と言う。さすが「カルストベルグ」と呼ばれるだけはある。
宇都宮ブリッツェンは小野寺が個人総合1位、ポイント1位を前日の山口ながとクリテリウムで確定させており、残るはチーム優勝争い。2連覇を目指すチームであるが、このJCL最終戦と9月13日に開催されるツール・ド・おきなわ(JCLポイント対象レース)の2レースを勝たなければ、それは達成されない。
チームの作戦は、強力な逃げには乗って勝負するというもの。特にチーム右京は逃げを作ると目されていたが、前半2周回は目立った逃げはできず。ただ、3周回目に入る直前のカルストベルグで、チーム右京3名、キナン3名を先行させてしまう。スタートフィニッシュラインを超えてもこの6人は先を行き、しばらく進むが、そこに堀孝明が単独で追いつく。これをきっかけに小野寺を含む小集団も追いつき、3周回の中盤では振り出しに戻る大集団に。
スタート前の予想とは違うスローペース&決定的な逃げが決まらない中で、3周回終盤にひとり飛び出したのが阿部嵩之だ。これにより集団は一列棒状に。阿部はほどなく捕まるが、活性化した集団はカルストベルグでバラバラに。そしてまたしても、チーム右京3名、キナン3名が先行してしまう。どうやらライバルたちは、カルストベルグだけで勝負をしたいようだ。この6名の中には優勝候補のひとり、ベンジャミン・ダイボール選手(チーム右京)、昨年の覇者である山本大喜選手(キナン)もいる。強力な逃げにレースもこれで決まりかと思われたが、宇都宮ブリッツェンの働きもあり集団はひとつに。逃げを捕まえたところで牽制が入りスピードが緩むが、アタックの波状攻撃に小野寺が反応。苦手意識のあるこのレースではあるが、小野寺の勝ちに挑む姿が随所で見られる。
しばらく牽制が続く中レースが進むが、堀が山本元喜選手(キナン)と2名で逃げを決め、後ろは10名の小集団に。この中には小野寺、阿部もおり、JCLリーダージャージでの勝利に期待が高まる。
先頭は2名を追加して4名となって最後の上りに入り、山本選手が少し前へ。堀は遅れるも3位表彰台圏内で粘る。後ろもバラバラとなり個人の粘り勝負となる中、ベンジャミ・プラデス選手(チーム右京)がスルスルと前へ出て、そのまま優勝をもぎ取った。堀はゴール後蛇行するほど出し切り6位に。小野寺も9位と、このコースとしては上々の結果でゴールした。
チーム総合優勝は逃すことになりそうだが、小野寺は個人総合優勝のイエロージャージ、ポイント賞1位のブルージャージの2枚を獲って、JCL最終戦を終えた。上りもスプリントもこなすマルチライダーは本場欧州で目立ってきている昨今、小野寺はまさに、新しい時代の選手として成長してきているようだ。
【小野寺玲のレース後コメント】
シーズン当初、清水監督からJCLリーダーを取れる選手のひとりだと言われ、自分では信じられなかった。こうしてリーダージャージを着て、これまで増田さんはこんな重責を担って走っていたんだとわかったし、増田さんがこうして今、いない状況で、自分ももっと責任感を持って走らなければならないと気付かされた1年だった。チームとしても、今日、こうしてジャージをキープする走りができ、そして僕をエースとしてたくさんの働きをしてくれて、とても心強かった。最後はこのジャージに似合う走りをしたいと言ったが、いまいちパッとしない走りになったことは悔やまれるものの、1年間通してチームメイトとレースを走ってこれたことは楽しかった。たくさんの応援ありがとうございました!
【堀孝明のレース後のコメント】
体調不良から、このところ復調してきたとは思うが、まだまだ出し切れている感じはない。でもレースを楽しめてるという変化は大きい。レースの展開が自分で読めて、自分から展開を作れるようになったのは、気持ちが前向きになれた。元の状態に近くなってきているとは思う。でも今日の6位は悔しかった。できれば優勝したかったけど、最低でも表彰台に上がりたかった。
【清水裕輔監督のレース後のコメント】
本当は前半から動きたかったが、他の強力なチームの動きに合わせながらの展開になった。ただ、自分たちができる限りのことはやれたかなとは思う。堀は、本来の上りの力に復活の兆しが見えた。小野寺、阿部に加え、堀という戦力が戻ってきたという印象だ。みんな持てる限りの力でやってくれたので、チームとしては最終戦のツール・ド・おきなわにいい弾みがついたと思う。小野寺は去年の段階で、リーダージャージを取れるレベルにあると思っていたので、それをしっかり結果で証明してくれたので嬉しい。
▼リザルト
1位 ベンジャミ・プラデス(チーム右京) 3:06:52
2位 山本元喜 (キナンレーシング) +0:03
3位 山本大喜(キナンレーシング)) +0:15
6位 堀孝明 (宇都宮ブリッツェン) +0:25
9位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +1:34
15位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +2:17
23位 中村魁斗(宇都宮ブリッツェン) +3:51
DNF 小坂光(宇都宮ブリッツェン)
DNF 及川一総(宇都宮ブリッツェン)
※全リザルト:https://jcleague.jp/2022/10/30/28e0f80b75e5270382d39f7fe2237a341f5536e3.pdf
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