▼レースレポート
JCLプロロードレースツアーもいよいよ最終盤。山口2連戦の初日は、長門市の道の駅センザキッチンもほど近い白潟地区に特設公道コースを設けたクリテリウムだ。コースは異なるが、昨年の山口ながとクリテリウムと言えば宇都宮ブリッツェンが表彰台を独占したレース。小坂光がクリテリウム初優勝を飾り、小野寺玲、阿部嵩之と3選手が横並びで1-2-3フィニッシュを飾っている。
今回の白潟地区特設公道クリテリウムコースは日本海に面しており、快晴ではあるもののスタート前から海からの風が吹いていた。道の駅センザキッチンからのパレードランでスタートし、初開催となるコースの様子を見ながら走る選手たち。ほぼ平坦コースだがフィニッシュ手前にゆるい勾配がある。文字通り海の真横を走るシーンもあり風との戦いも予想されるレースとなった。
パレードを終えてリアルスタートが切られると、宇都宮ブリッツェンから及川一総が積極的に集団前に出る。レース距離が短いため序盤から各チームの選手が仕掛けてスピードも上がるが、集団から抜け出す姿がないまま周回を重ねられていった。
JCL総合リーダーの小野寺は、レース前に「リーダージャージを意識しずぎて萎縮しないよう楽しんで走りたい」と語っている。またチームのスプリンターとして最終局面を見据えて「勝負できる位置に選手を残す」と意気込みを見せていた。
11周回完了時の最初の中間スプリントポイントを前に、小石祐馬選手(Team UKYO SAGAMIHARA)が単独で飛び出すことに成功。そのままポイント獲得かと思われたが、追走してきたモンゴル人ライダーのバトムンク マラルエルデン選手(レバンテフジ静岡)がポイントゲット。後続もすぐに追いつき、また集団になった。
18周回完了時、2度目の中間スプリントポイントは孫崎大樹選手(Sparkle Oita Racing Team)が獲得。レースも半分を過ぎるとライバルたちはさらに活性化してくるが阿部、小坂らがすかさずチェックを入れて逃さない。
22周目、ゆるい上りで阿部が仕掛けた。小野寺が続き、他チームもスプリンター勢が追走。集団が分断されるほどではないが一列棒状となりスピードが上がる。25周目完了時の3度目の中間スプリントポイントはダイボール ベンジャミン選手(Team UKYO SAGAMIHARA)が獲得。そのタイミングで小野寺はパンクで車輪交換があったが、ニュートラルルールで無事レースに復帰している。
ベンジャミン選手はポイント獲得後、そのまま単独で逃げ始めた。一定の距離を置きながら集団は宇都宮ブリッツェン、KINAN Racing Teamが中心となり追走するが、独走力のある選手のため気が抜けない。タイム差は10秒弱で残り4周となっていた。
ファイナルラップに入り、ついに集団はベンジャミン選手を吸収。直後に阿部、小野寺、他チームもスプリンター勢が前に出た。残り300mを越えて小野寺が先頭に立つがライバルも許さない。最後は3名がハンドルを投げ合うスプリント勝負となったが、Sparkle Oita Racing Teamのスプリンター・沢田桂太郎選手が勝利をもぎ取った。小野寺は2位に入った。
個人総合1位のイエロージャージは小野寺がそのままキープしている。