▼レースレポート
地元栃木での開催となったJCL第9戦は、宇都宮市の北に位置する塩谷町が舞台だ。道の駅 湧水の郷しおや前に設けられた特設周回コースは、遠くに日光の山々も見えるロケーション。全国名水百選の「尚仁沢湧水」でも知られる塩谷町だけに、道の駅の名称も「湧水の郷しおや」となっている。周囲は田園風景が広がり、のどかなコースは全体を通しても高低差は7mほどで基本平坦になり高速のレース展開が予想される。
宇都宮ブリッツェンは前週のジャパンカップに続く地元大会。スタート前に中村魁斗は「全選手の中で一番近いところに住んでいると思う。地元パワーを活かして頑張りたい」と語った。この日、イエロージャージを着て走る小野寺玲は「僕は前回、落車して棄権している。まずは最後まで勝負できる位置にいたい。(清水裕輔監督とキャプテン増田成幸の移籍が発表され)チームメイトとして走れる時間も残りわずか。1戦1戦を大切に走っていきたい」と意気込みを見せる。
レースは、大きな直角コーナーが4ヶ所ある特設周回コースを30周する。前半は、地元の那須ブラーゼン・西尾憲人選手らが積極的な動きを見せる。宇都宮ブリッツェンは、阿部嵩之が集団前方で走り、他チーム選手たちとペースを作る。
7周目に入るとレバンテフジ静岡、KINAN Racing Team勢も動きを見せてきた。だが決定的な逃げも生まれず、周回を重ねていく。阿部に続き、中村も集団前方で積極的に牽引するシーンも見られる。
9周目に入り、スピードの出る直線区間で集団内で落車が起こった。20名ほどの選手が巻き込まれ、コース脇まで投げ出されてしまう選手の姿も。そこには宇都宮ブリッツェンの増田、小野寺、中村、及川も含まれた。先頭集団は落車を心配しながらペースを落とし、スタートラインに多くの選手が戻ってきたところでレースが一旦中断。それから間もなく救急車が会場に向かう手配がされ、救急対応が求められるためレースキャンセルが発表された。
宇都宮ブリッツェンは落車でコースに叩きつけられてしまった増田が緊急搬送された病院で骨盤骨折と診断され、また中村と及川も打撲や擦過傷を負っている。他チームでも骨折と診断された選手がいる模様。
翌日はJCL第10戦の那須塩原クリテリウムが予定されており、栃木2連戦となる。宇都宮ブリッツェンはフルメンバーでの出場が難しいが、限られた選手たちで最善を尽くす。