▼レースレポート
3年ぶりの開催となったシマノ鈴鹿ロード(以下、シマノ鈴鹿)。シマノと言えば、競技用のロードバイクやMTB、買い物で活躍するシティサイクルなど、自転車に関わるパーツの製造・開発で厚い信頼を得る日本が誇る自転車界のトップブランド。そのシマノが開催する国内最大級の一般参加型自転車イベントが今年で37回目を数えるシマノ鈴鹿だ。
シマノ鈴鹿は年齢別、レベル別で幅広く参加カテゴリーを設けている。自転車を乗り始めたばかりの子どもからプロ顔負けのアマチュアライダーまで、老若男女が思い切り自転車を満喫することで例年大人気だった。しかし、コロナ禍の影響で今年は3年ぶりの開催となり、久しぶりのシマノ鈴鹿に会場は熱気に包まれた。
シマノ鈴鹿のコースは、F1に代表されるモータースポーツの開催でおなじみの鈴鹿サーキット。ただ、今回は反時計回りで使用されるため、シケインやヘアピンカーブなど鈴鹿サーキットの有名な見所は逆側から攻めることになる。コース幅は広くて走りやすいが、ロードバイクで走行するとアップダウンも多いコースだ。
宇都宮ブリッツェンは大会初日の「チームタイムトライアル(以下、チームTT)」に増田成幸、阿部嵩之、小野寺玲、宮崎泰史を送り出した。チームTTは1チーム3〜4名で構成して隊列を組み、チームメイトが先頭交代しながらゴールを目指す競技。チームで3番目にゴールした選手のタイムを競い、順位を決める。
レース前に増田は「過去に宇都宮ブリッツェンはコースレコードを叩き出した。まだ破られていないので、そのタイムを目標に頑張りたい」と話した。2018年の第35回大会で記録した27分45秒63のことだ(参加メンバーは増田、阿部、小野寺、鈴木譲)。
今回のチームTTには宇都宮ブリッツェンのほか、ヴィクトワール広島、シマノレーシング、さらにJCF登録のアマチュアチームが参加。ライバルチームが少ないだけに、ここは実力を見せつけたいところだ。チームTTは「チームごとの時間差スタート」で進行する。宇都宮ブリッツェンは1周目を6分44秒81で通過してトップタイムを獲得。ヴィクトワール広島、シマノレーシングがそれに続いた。2周目は6分41秒56で通過した。
宇都宮ブリッツェンは個人タイムトライアルで全日本選手権を2度制した増田を筆頭に、阿部、小野寺、宮崎と独走力の高い選手でチーム構成している。単騎で走らせても速い選手たちが、先頭のローテーションをしながら走ることでさらにスピードは上がる。全員が一丸となって、2018年のコースレコード更新のためにペダルを回した。
3周目は6分40秒17と順調にラップタイムを縮めてきた。最終周回ではついに先にスタートしていたヴィクトワール広島を捕らえた。宇都宮ブリッツェンは他チームを寄せ付けない圧倒的なスピードで走り抜き、26分38秒34で新たなコースレコードを叩き出して見事に優勝した。4周目のラップタイムはこの日のファステストラップなる6分31秒80だった。