▼レースレポート
標高800mにあり、天候の変わりやすいオートポリス。この日もスタート15分前までは晴れていたが、5分前になってゲリラ豪雨に見舞われた。スタート直前に雨は上がったものの、急遽レインベストを着こんだりなど、慌ただしいスタートとなった。
会場は前日と同じだが、大きな上り区間をカットしたショートコースのため、ゴールスプリントになることが予想される今日のレース。
序盤は落ち着いた展開で進む。しかし、10周目完了時の中間スプリントに向けて宮崎泰史が動いて集団が活性化。16名の先頭集団ができ、宮崎のほか、阿部嵩之、小野寺玲が加わる。さらに 20周目には後続グループから増田成幸が先頭グループに合流。
1周約3㎞を4分ほどで走り切るため、今日のタイムオーバーは3分に設定される厳しい状況で、ワンパックとなった集団はわずか23名に。その中で4名を入れた宇都宮ブリッツェンは数的有利な展開にレースを運ぶ。
26周目には単独アタックを仕掛け、今日もアグレッシブな動きを見せたのが宮崎だ。大分での開催だが、オートポリスは熊本との県境にあり、選手たちも熊本に宿泊して参戦。熊本出身で、大分の大学卒、大分のチームに所属していた宮崎にとって、地元凱旋レースと言ってもいい。
宮崎のアタックはリセットされたが、チームは増田、小野寺、宮崎を残したままの最終周回。最大のライバルと目されていた地元大分の沢田桂太郎選手(スパークルおおいた)はすでに遅れており、力勝負でも勝てる脚を持った小野寺が、残り200mからスパートを掛け、2位に3車身差以上をつけて優勝。この大分2連戦で宇都宮ブリッツェンの完勝となった。
ゴール後小野寺は、「この遠征中、特にチームの雰囲気が良く、誰が勝ってもいいという気持ちをチーム全体で持てたのがこの勝利に繋がったのか」と語ったが、まさに宇都宮ブリッツェンの独壇場とも言えた2日間だった。 総合1位の証であるイエロージャージは増田がキープ。しかし実は小野寺が次点につけており、そのポイント差はわずか57ポイント。小野寺が持っていたブルージャージも守ったが、こちらは38ポイント差で増田が2位。
この大分でチーム総合1位にも浮上し、王者・宇都宮ブリッツェンの快進撃が期待される、シーズン後半戦スタートとなった。