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2022/05/21 レース

【レポート】5/21 三菱地所 presents ツアー・オブ・ジャパン 2022 3rd STAGE 相模原

三菱地所 presents ツアー・オブ・ジャパン 2022 第3ステージ 相模原
▼開催日 2022年5月21日(土)
▼スタート 橋本公園(神奈川県相模原市緑区西橋本5-3)

▼フィニッシュ 鳥居原ふれあいの館(神奈川県相模原市緑区鳥屋1674)
▼出場選手 増田成幸、阿部嵩之、小野寺玲、宮崎泰史 (中村魁斗は第1ステージでDNF)

▼コース概要
橋本公園~旧小倉橋~串川橋~鳥居原ふれあいの館13.8km×7周
総距離:107.7km 獲得標高:1,728m 出走:70名(16チーム)
天気:雨 スタート地点の気温:19度 アクチュアルスタート時間:9時00分
▼レースレポート
 2日前に長野をスタートしたツアー・オブ・ジャパンは、今日から舞台を神奈川に移した。TOKYO2020のレガシィとも言える相模原ステージは、カラパス、ファンアールト、ポガチャル…等々、世界のトップが走ったまさにそのコースの一部を使う。スタート地点の橋本公園はJR橋本駅から徒歩10分の位置にあり、生観戦を待ち望んだ多くのファンと、その声援を待っていた選手との再会の場となった。ゴールは宮ケ瀬湖畔にあり、7度の周回の前半は下り基調、後半は約6㎞の上り。昨年とは逆回りの設定だ。

 これまで目立った活躍がないチームや選手は、このステージを取りたいという思いは強い。何しろ、チーム右京と宇都宮ブリッツェンしか、表彰のステージに登壇していない先の2日間だったのだから。

 4.6㎞のパレード走行では阿部が他チームの選手と談笑するシーンも。前日、約60㎞を独りで集団けん引した阿部。最終70位で孤独なゴールをした際、ライバルチームも駆け寄って礼を伝えるシーンもあったという。自転車ロードレースの美しい光景だ。

 今日のレースはまさに消耗戦だった、アクチュアルスタート直後からアタックが始まり、少人数のアタックができては、それに合流したい選手の追走、はたまたポイント賞、山岳賞を狙う動きの加速で縦長の集団が追いつく……の繰り返し。しかも雨音とブレーキ音が鳴り響く中、大粒の雨が選手をノックする。

 宇都宮ブリッツェンも、この激しい打ち合いに参戦。増田が単騎で逃げに合流し、それがつかまれば宮崎が。宮崎の逃げがつかまっても、もう一段、宮崎自身が行くという動きも見せた。

 頭を変える大蛇のうねりが続くこと1時間半。ようやく残り48㎞地点(つまりステージの半分以上を走った地点)で、宮崎を含む8人の逃げが容認された。しかしそのパックが300m進んだところで、宮崎が不運のチェーン落ち。この逃げから離脱することになってしまった。

 宮崎は無事に集団に復帰したが、逃げは追走がブリッジして残り1周半あたりで19人に。ここにはマトリックスがフランシスコ・マンセボ・ペレス選手(スペイン)を含める3名を入れてきていた。こうなると、逃げを完全に許したチーム右京は集団に蓋をし、勝負の意思を見せず。宇都宮ブリッツェンも先頭に位置しつつも、明日の最終ステージに備えて安全にゴールすることだけに注力した。特に、アタック合戦の最中は雨に濡れていても暑かったが、集団が落ち着くと体は急に冷え始め、ここでコンディションを崩すわけにはいかなかった。

 逃げのフィニッシュは、数的有利だったマトリックスが獲るかと思われたが、最もスプリント力を備えていた岡篤志選手(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメントチーム)が残り200mで加速し、そのままゴール。宇都宮ブリッツェンファンにとっては懐かしい名前で、3年前までチームメイトだった26歳だ。EFは欧州で活躍するプロチームの下部組織で、今回、唯一の外国籍。「何も結果を残さず帰るわけにはいかない」と言った岡のコメント通り、チームとしての意地のかかったステージだった。ただそれは、チーム右京以外のチームすべての思いではあったが。


山岳賞は積極的にポイントを取りに行った小林海選手(マトリックスパワータグ)に移ったが、新人賞は宮崎が堅守した。明日の東京ステージでゴールラインさえ超えれば、あの晴れやかな東京の表彰セレモニーに登場することであろう。チームは集団でゴールしており、昨日脚を使った阿部は、今日は先頭の固めにも加わらず、集団内で脚を休めることができた。


さぁ、準備は整った。明日、小野寺がどんなゴールポーズを決めてくれるか、楽しみにしたい。

【第3ステージ後の監督・清水裕輔のコメント】

天気がひどく悪く、総合上位勢の動きもあって、激しい1日だった。チームとしては増田を含めて、全員で逃げを狙う作戦で臨んだが、さすがに増田に対してのマークが厳しく、なかなか抜け出すことができなかった。そんな中、宮崎もマークされているにもかかわらず、うまく勝ち逃げに乗れた。ただ、ワントラブルでチェーンを落としてしまい、集団に戻らざるを得ず。チェーンを落とした時点で逃げは先行し、手遅れになってしまったことは残念だった。ひとつのトラブルでステージ優勝は厳しい展開になってしまったが、明日に向けて切り替えられたかと思う。コンディションは悪くないので、明日もう一度、ステージ優勝に挑戦したい。

 

【第3ステージ後の宮崎泰史のコメント】

1、2周目のアタックの打ち合いがすごくて、僕もかなり参加したが、なかなか行かせてくれる感じがなかった。コースも決め手になる箇所がなく、力づくで決めてやるという雰囲気もなかった。そこで、勝てる逃げを冷静に判断する作戦に切り替え、実際に最後の逃げはトンネルの通過も利用して飛び乗り、結果的にはその逃げが決まったが、チェーンを落としてしまい、集団に戻る形になった。プロトンはチーム右京がコントロールしてくれていたので、無事に完走するというマインドにスイッチした。明日の東京ステージもしっかり完走して、新人賞のホワイトジャージは守りたい。コースはステージ優勝をチームで狙えるものなので、小野寺さん中心に組み立てていくのではないかと思っている。

 

【第3ステージ 区間賞 リザルト】

1位:岡篤志(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメントチーム) 2:33:37

2位:レオネル・キンテーロ・アルテアガ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) +0:01

3位:山本哲央(チームブリヂストンサイクリング) +0:01

28位:小野寺玲 +3:09

31位:宮崎泰史 +3:09

42位:増田成幸 +3:09

68位:阿部嵩之 +8:16

 

【第3ステージ終了後 個人総合時間賞 リザルト】

1位:ネイサン・アール(オーストラリア、チーム右京) 8:14:19

2位:ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チーム右京) +0:07

3位:トマ・ルバ(フランス、キナンレーシングチーム) +1:36

4位:増田成幸 +2:41

9位:宮崎泰史 +4:57

26位:小野寺玲 +16:26

68位:阿部嵩之 +1:00:40

 

【第3ステージ終了後 団体総合時間賞 リザルト】

1位:チーム右京 24:48:51

2位:キナンレーシングチーム +6:10

3位:マトリックスパワータグ +6:26

4位:宇都宮ブリッツェン +18:14

 

【リーダージャージ】

個人総合時間賞 ネイサン・アール(オーストラリア、チーム右京)

ポイント賞 レオネル・キンテーロ・アルテアガ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)

山岳賞 ベンジャミン・ダイボール選手(オーストラリア、チーム右京)

新人賞 宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)

 

▼富士山ステージ全リザルトはこちらを参照ください。
https://www.toj.co.jp/2022/sagamihara/?tid=100070#result

 

▼各総合成績はこちらを参照ください。

https://www.toj.co.jp/2022/result-time/