レースはスタート間もなく細かいアタックが見られたが、のどかな田園風景を走る中で動きが出たのは4周に入ってからだ。
宇都宮ブリッツェンの阿部嵩之選手、小石祐馬選手(Team UKYO SAGAMIHARA)、谷順成選手(那須ブラーゼン)、バトムンク マラルエルデン選手(レバンテフジ静岡)による逃げ集団が形成された。
後続メイン集団は宇都宮ブリッツェンやKINAN Racing Teamが中心となりコントロールしていたこともあり、阿部選手は逃げのローテーションにはあえて加わらず後方の様子を見ながら走る。メイン集団からは8選手が飛び出し、逃げの追走を始めた。
4名が40秒ほどのリードを保ちながら周回を重ねたが、8周で追走の新城雄大選手(KINAN Racing Team)、ライアン カバナ選手(ヴィクトワール広島)、宇賀隆貴選手(Team UKYO SAGAMIHARA)、西尾憲人選手(那須ブラーゼン)の4名が合流。計8名の逃げ集団となった。
大きな動きもなく15周を迎える頃、前半積極的に動いていたモンゴル人ライダーのマラルエルデン選手が逃げのローテーションから脱落。
7名となったグループからカバナ選手らが攻めの走りを見せる。
一方の後続メイン集団では小さな落車もあり、20名弱まで人数が減ってきた。宇都宮ブリッツェンは増田選手と宮崎選手が前を牽引し、後方で小野寺選手がフィニッシュに向けて足をためる。
レース終盤は風速も4.7m/sと風がスタート時よりも強くなってきた。残り2周になると先頭でもふるい落としが始まり、カバナ選手、小石選手、谷選手、そして阿部選手が生き残る。後方とは一時2分ほど開いたタイム差だったが30秒差まで縮んでいた。
4名でファイナルラップに突入すると直後に増田選手ら後続が合流し、瞬く間に最後のアタック合戦が始まった。
小石選手の動きに増田選手、宮崎選手が反応し、畑中勇介選手(KINAN Racing Team)、渡邊諒馬選手(VC福岡)が続く。
小野寺選手も虎視眈々と前を伺う。
フィニッシュまで残り500mを切ると増田選手がラストスパートで抜け出した。畑中選手が追うが、小野寺選手もそれを見逃さない。
そのまま増田選手が逃げ切るようにも思えたが、スプリント力のある小野寺選手が先を行き勝利を飾った。
宇都宮ブリッツェンは増田選手も同タイムで2位となり、地元開幕戦を昨年に引き続きワンツーフィニッシュで決めた。
優勝の小野寺選手はJCLプロロードレースツアーのイエロージャージ(個人総合リーダー賞)、ブルージャージ(スプリント賞)を獲得し、栃木県民賞にも選ばれた。また集団で精力的な動きを見せていた宮崎選手がベストアシストライダー賞となった。