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2025/03/30 レース

【レポート】第2回NTT東日本 宇都宮清原クリテリウム

【レポート】第2回NTT東日本 宇都宮清原クリテリウム

 

▼開催日

2025年3月30日(日)

 

▼出場選手

谷 順成

フォン・チュンカイ

沢田 時

岡 篤志

ルーベン・アコスタ

武山晃輔

 

▼競技概要

会場:栃木県宇都宮市清原工業団地周辺周回コース

予選1組:10:45〜11:15(3.0km × 6周 = 18km)

予選2組:11:25〜11:55(3.0km × 6周 = 18km)

レース決勝:14:30~15:45(3.0km×20周=60km)

 

▼レースレポート

 

フォン・チュンカイの勝利で最高のホーム初戦を飾ったブリッツェン。今日のレースは、お馴染みの清原工業団地周辺周回コースで開催される。1周3kmと短距離で争われる本レースは、大集団スプリントが予想される。残り数周回からの位置取りが非常に重要だ。

 

レースは予選をクリアした120名が決勝へ。ブリッツェンは、予選1組に谷、フォン、武山が出走し全員決勝へ。2組に沢田、岡、ルーベンが出走したがルーベンが予選落ち。5名で決勝に臨むことになった。

 

<レース前の鈴木真理監督のコメント>

(昨日の勝利について)終わった時は実感がなかったが、朝になり実感が湧いてきて興奮して寝られなくなった。クリテリウムコースはチームで動かないと近年は勝てない。チーム力を使って対抗していきたい。鍵穴のようなコース(ヘアピンカーブ)のため、チームがバラけてしまったり、隊列が組めなかったりすることもある。上手くまとめていきたい。もし僕が現役選手であってもアシスト選手に指示をしてまとめてもらえるような形にしていると思う。ライバルとなるのは、チームブリヂストンサイクリング。彼らは平坦を熟知している。そこをなんとか崩せればと思う。普段のクリテリウムや平坦コースでもレースを仕切っているので慣れている。僕たちは平坦に特化したチームではないので、その点を崩すのは難しいと思う。ただ、昨日は上手く崩せたのでなんとか上手くできればと思う。

 

<レース前の岡選手のコメント>

トレーニング自体は悪くなかったが昨日は本来の自分のパフォーマンスを全く発揮できず悔しい内容になった。ただ、フォン選手が優勝してくれてチームとしては救われた。自分自身はなかなかいいところを見せられていないので、今日は頑張りたいと思う。宇都宮のレースでブリッツェンに復帰してからまだよい成績が収められていないのでなんとしても勝ちたい。チームブリヂストンサイクリングは日本屈指のスプリンターを揃えている。また、Sparkle Oita Racing Teamなど強いチームがたくさん参戦している。簡単に勝たせてはくれないと思うが、チーム力でなんとしても掴み取りたいと思う。

 

<レース前のフォン選手のコメント>

昨年6月に骨折し、1か月ほど休養した後、ハードなトレーニングを積んできました。台湾ナショナル選手権からアジア選手権まで、一日も休まずにトレーニングを続けてきたことで、コンディションは良好です。ベストとは言えませんが、勝利に必要な状態には仕上がっています。特にアジア選手権のときが一番コンディションは良かったと感じています。

この怪我が自分にとってターニングポイントになりました。当時は選手を続けるべきか迷いましたが、復帰後にハードなトレーニングを重ね、ツール・ド・九州やジャパンカップ、台湾選手権、アジア選手権といったレースで手応えを感じることができました。そして今回も、良いコンディションで臨めています。

今日のレースについては、僕自身も勝負に絡みますが、岡もスプリントができる選手です。彼は日本でも有数のスプリンターであり、最後の最後で勝負を仕掛けることができる。強くて速いチームは他にもいますが、彼らにどうチャレンジできるかが鍵になると思います。

 

レースは、昨日同様アタック合戦の応酬。6周目では沢田が単独で飛び出すも吸収されてしまった。その後、複数人が飛び出す場面もあったが、決定的な逃げは完成しなかった。

 

10周回完了時の先頭通過者に与えられる地元賞では、孫崎大樹(ヴィクトワール広島)選手や渡辺一気(京都産業大学)選手、林原聖真(群馬グリフィンレーシングチーム)選手、宮崎泰史(KINAN Racing Team)選手が抜け出したが、再び集団は一つとなる。

 

レースは逃げができないまま進行。17周では沢田と、同じくシクロクロス選手としても活躍する織田聖(マトリックスパワータグ)選手が2人で先行した場面もあったがそれも吸収される。

 

この頃、優勝候補のチームブリヂストンサイクリングは人数を揃えチームで固まる。一方のブリッツェンも前方で固まり、他のチームが先行すればチェックに入るという状況だった。

 

18周、林原選手が飛び出した場面もあったが吸収。スプリントを見据えて各チームがまとまり始める。19周目、人数を揃えているのはブリヂストン。一方で、武山や沢田も先頭に入り、岡とフォンの脚を休ませる。

 

ラストの20周目に突入。ブリッツェンは、フォンと岡がまとまり走行。Sparkle Oita Racing Team、ヴィクトワール広島、ブリヂストンもスプリントに備えて一つになる。勝負のポイントなるのは各コーナー。ヘアピンカーブでは、フォンが岡を引き連れていい位置で走行。その後、岡はブリヂストントレインにスイッチし、番手をとる。Sparkle Oita Racing Teamやヴィクトワール広島も複数人をそろえる中、枚数的には不利、しかし岡のテクニックであれば可能性はある。

 

最後のコーナー。岡はブリヂストンの後ろから単独でいち早くスプリントを開始。踏み続けたが最後は孫崎選手にかわされ惜しくも2位となった。

 

しかし、単騎になったにも関わらず、持ち前の身体能力で優勝争いに食い込み、サポーターを沸かせた。

【レース後の鈴木監督のコメント】

2日間、地元で表彰台に上がれた。今日は優勝できなかったが、2位に入れたのは大きかった。表彰台に乗ってファンの方の前に立てて、一安心している。今日の連携については、何度か上手くいっていない場面があった。しかし最後の最後で、フォン選手が岡選手を前にキープさせた。途中、余計に動いてしまい枚数が足りなくなった点では、失敗もあったが、フォン選手がアシストして岡選手を休ませてから、岡選手はスプリントに入れた。それは大きかったと思う。岡選手がブリヂストンの番手をとる動きも悪くなかった。最終的にブリヂストンの方が枚数は多いのはわかっていたので、しっかりラスト1周から半周、Uターンするところまで岡選手をリードアウトして心拍を下げられる状態を作ってからの400mぐらい。脚は貯められたと思う。あとは岡選手が自分で前に出ていい戦いができたと思う。最終的に孫崎選手に敗れてしまったがその点は勝負事。いい判断だったと思う。この後は、Jプロツアー、そして、ツール・ド・熊野やツアー・オブ・ジャパンが待っている。上りがメインになってくるので、上りの練習にも取り組みたい。

 

【レース後の岡のコメント】

強豪チームを相手に最終局面でフォン選手が素晴らしい動きをしてくれた。いい形で最終コーナーを曲がれたが、あと少しのところで力及ばず勝ち切れなかったので、本当に悔しいところ。ただ、みんなよく動いてくれていいレースができたのではないかと思う。(最終的に岡選手とフォン選手、どちらがスプリントをするかは2人で決めるようにとミーティングで言われたことに対して)最終的には今日は「岡が」とフォンが言ってくれてたが、自分自身、昨日いい走りができず自信をなくしていることもあった。しかし、フォンが「ついてこい」といって引き上げてくれた。自分が行くしかないという思いで走った。終盤はラスト2kmぐらいでフォン選手が先頭に出てくれた。数を揃えるブリヂストンの選手にラスト700mぐらいで抜かれた。そこで自分もなるべくポジションを失わないように、ブリヂストンの最後の選手の後ろにつけるように、他のチームと戦いながらポジション取りをした。ただ、最終コーナーからゴールまでは短い。そこからブリヂストンの選手を追い越すのは不可能なため、イチかバチか400mぐらいでスプリントをかけて、最終コーナーの前で先頭に出ようとしたが、イン側を占められて失速して、スピードに乗れなかった。自分も強引に行ってしまったため仕方ない。それがなければいけたかなと思う。チーム内の連携に関しては、ツール・ド・台湾から何度か挑める場面があったが、レベルも高くトレインを組めなかった。しかし、今回いい形はできたかなたと思う。人数が足りなかった部分もあったが、最後はいい形でスプリントに臨めた。今シーズンはまだまだレースが続きます。たくさんの勝利をあげられるように頑張っていきます。応援よろしくお願いいたします。

 

 

▼リザルト

 

1位 孫崎大樹(ヴィクトワール広島) 1h’18”02

2位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +0’00”

3位 黒枝 士揮(Sparkle Oita Racing Team) +0’00”

 

40位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +0’06”

44位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +0’ 07”

77位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +0’24

88位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +00’47”

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。

https://matrix-sports.jp/lap/result.php?evt=250330_utsunomiya&ctg=JCT