【レポート】Tour de Taiwan 2025 Stage5 美麗新六堆站(UCI 2.1)
▼開催日
2025年3月20日(木)
▼スタート
Meinong Hakka Cultural Museum
▼フィニッシュ
Liugdui Hakka Cultural Park
▼出場選手
谷 順成
フォン・チュンカイ
岡 篤志
沢田 時
ルーベン・アコスタ
▼競技概要
総距離121.41km
出走:103名
スタート時間:11:00(日本時間)
▼レースレポート
ツール・ド・台湾のラストを飾る第5ステージは、121.41kmの道のりで平坦基調。山岳ポイントはないが、スプリントポイントは、52kmと107kmに設定されている。ブリッツェンの目標はベストアジアンリーダー獲得とステージを狙うこと。岡はベストアジアンリーダー2位。1位の小石祐馬(JCL TEAM UKYO)選手とは2秒差で、逆転も十分に狙える。
一方の総合。第4ステージ終了時点で、1位 は、ISRAEL - PREMIER TECH のGILMORE Brady選手、2位はタイム差なしで同じくISRAEL - PREMIER TECH のKRETSCHY Moritz(ISRAEL - PREMIER TECH)選手。3位は、LÓPEZ Jordi(EUSKALTEL-EUSKADI)選手、4位はQUARTUCCI Lorenzo (SOLUTION TECH VINI FANTINI)選手でともに6秒差となっていた。僅差の中で総合勢がどう動いてくるかも注目のレースとなった。
<第5ステージ前の鈴木真理監督のコメント>
昨日は序盤から攻めて逃げに乗る目標でフォン選手をはじめ、岡選手と沢田選手もしっかり逃げに乗ることができた。前半はリーダーチームが大きな逃げを行かせたいか、行かせたくないかということで、行かせない判断をした。今日も同じような展開になると思うが、ポイント賞があるので岡選手のベストアジアンライダー逆転に向けて動きたい。最後に捕まると思うが逃げればチャンスが出てくると思う。岡選手が逃げることを重視してチームでカバーできればと思う。ベストアジアンライダーに関しては(総合勢も)逃がしてくれるのではないかと思うし、ポイントをしっかりとって逆転したい。現在トップの小石選手が獲らず、岡選手が2位を1回獲れればトップになれる。
<第5ステージ前の岡選手のコメント>
疲れはあるが、最終日ということで全て出し切れるように頑張りたい。今日のコースは平坦基調。ベストアジアンリーダーに向けたボーナスタイムを狙い、最後のゴールも頑張りたい。
<第5ステージ前の谷選手のコメント>
今年は全ステージ激しかったのでかなり疲労はしている。ただ、自分はどちらかというとステージ毎に調子が上がってくる。今日一番いい走りができると思っている。昨日のミーティングでチームの作戦がはっきりした。その目標を達成できるように自分なりに動いていきたい。また、最初から最後までチームで連携したい。今回の大会は無線機を使えるので、上手くみんなで連携を取りながら進めていきたい。
<第5ステージ前のフォン選手のコメント>
雨も降っておらず風も強くないので、いい日なのではないかと思う。今日のコースの一部はこれまで走ったことがあると思う。フルコースで走るのは初めてだが、Stravaやテクニカルガイドでもチェックしている。逃げが出るときつい展開になると思うので、その点に注意していきたい。距離も昨日に比べると短く、高低差も少ない。スピードがある、激しいレースになると思うが、あくまで僕たちの目標は岡のベストアジアンライダー獲得やスプリントなのでその点で頑張っていきたい。
第5ステージもスタートからアタック合戦。攻撃と吸収を繰り返し、レースが進んでいった。ようやく逃げができたのは、約80km、ルーベン含む6人の逃げが形成された。メンバーは、ルーベンのほかGARIBBO Nicolò(JCL TEAM UKYO)選手、PAREJA Nichol(VICTORIA SPORTS PRO CYCLING)選手、AITKEN Jack(ST GEORGE CONTINENTAL CYCLING TEAM)選手、EYOB Metke(TERENGGANU CYCLING TEAM)選手、新城雄大(KINAN RACING TEAM)選手だ。総合勢は、この6人を容認し残り69km地点のスプリントポイントは逃げメンバーで消化された。ブリッツェンはとしては、約14kmのスプリントポイント前までに集団を吸収しポイントを狙いに行いかなければならない。
レースは、6人の逃げとメイン集団で進行していったが、約22km地点で動きができる。ルーベンがメイン集団に戻ることを選択。逃げは5人になった。その後、メイン集団でもフィニッシュに向けてペースアップが図られ、16kmで逃げを吸収。次の展開が生まれる。
ブリッツェンとしては、14kmのスプリントポイントを岡が獲得することを狙っていたが、他チームの選手が獲得。ゴールに賭けるしかなくなった。
レース終盤、残り10kmで、BURGOS-BURPELLET-BH、QUICK PRO TEAMが前方で隊列を組み、その他のチームもスプリトに備える。集団が密集した状態で最後のコーナーに入り、各選手がスプリントを開始。最終的にHENNEQUIN Paul(EUSKALTEL-EUSKAD)選手が優勝を飾った。ブリッツェンは優勝争いに絡めず、最高位は岡で、トップとタイム差なしの25位フィニッシュとなった。また、総合トップも岡で23位でレースを終えた。
狙いを持ってチームで動くことはできてが、目標には手が届かず、収穫と課題がでたツール・ド・台湾。ただ下を向いている暇はない。次は、年間を通して重要なホームレース・栃木県2連戦が待っている。多くのサポーターの後押しを受け、優勝を目指す。
【レース後の鈴木監督のコメント】
一つ目のスプリントポイントが獲得できず、二つ目にかけていたが、獲ることができずベストアジアンリーダージャージは決まってしまった面があった。そこで諦めずにゴールを狙ったが、他のチームが強く位置取りも難しかった。(大会を通して)チームで動くという点で、外国籍選手と日本人のコミュニケーションが深まった。また、逃げを作るチャレンジもできた。ただ、強い選手に対してどう対抗していくかという点で、対応できなかった。5月のツアー・オブ・ジャパンもレベルが高いレースとなると思うので、そこに向けて煮詰めていきたい。
【レース後のフォンのコメント】
今日に限っていえば、最初から積極的に逃げを決めようとルーベンが逃げに乗った。岡が逃げに入るプランだったが、みんな積極的に逃げようとしていた。僕たちはいつも戦っている姿をみせ、その点では素晴らしと思う。今大会全体については、第2ステージでベストアジアンリーダーを獲得した。いいところもあり、ハードな日もあったが常に前に進み続けているので、とても良かったと思う。今後、どのレースでもチャンスがあれば勝ちにいく。次のホーム2連戦は重要なレース。チームとしても戦っていきたいし、全力でサポートしていきたい。
【レース後の谷のコメント】
昨年も出場して今回が2回目。全ステージ昨年を上回るレベルの高い大会となった。僕自身も苦戦した部分は多かったが、チームとして毎ステージ目標を持ってチャレンジできたので、今後に繋がる大会になったと思う。これが僕たちの開幕戦で、ここから上げていくことが重要だと思う。今大会を通してトライしたこと、何ができて何ができていなかっかたを振り返り、より強いチームになれるようにしたい。特に僕自身、今回の大会は決していいパフォーマンスではなかった。すごく自分自身悔しいので、誰よりもしっかり努力して、次はエースをはりたい。
【レース後の岡のコメント】
ルーベンが逃げたのは自分のミス。本来は自分が行かなければいけない場面だった。今日は自分がスプリントポイントを獲ることがミッションだったが全てつぶされてしまった。チームとして2回目のスプリントポイントに向けてみんなで全力で追いかけて、スプリントには臨んだが、獲ることができなかった。スプリントポイントがゴール手前で、ゴールも狙ったが脚が残されておらず非常に悔しいレースとなった。ただ、チーム全員でトライできたのはよかった思う。
【レース後の沢田のコメント】
篤志の逃げを狙っていたがマークが厳しく、篤志本人も動いてくれたが逃げが決まらなかった。ルーベンが逃げに乗ってくれたが、チームとしてはボーナスタイムを獲らないとベストアジアンリーダーで逆転できないため、トライはしたが厳しい展開となった。ただ、みんなでしっかり動けたと思う。今日のステージは誰もがはじめてのコース。スプリントも情報がない中で戦い、ストレスも多かった。いろいろな能力が求められ各自いい経験になったと思う。(今年のレースで)これほど厳しいツール・ド・台湾からスタートできたのは、今シーズンに向けて確実にプラスに働くと思う。反省をいかしてチームの連携を高めていければと思う。
▼第5ステージリザルト
1位 HENNEQUIN Paul(EUSKALTEL-EUSKAD) 2h’33”53
2位 BOMBOI Davide(UNIBET TIETEMA ROCKETS) +0’00”
3位 EINHORN Itamar(ISRAEL - PREMIER TECH) +0’00”
25位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +0’00”
52位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +0’00”
77位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +0’00”
94位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +0’18”
102位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +1’42”
▼第5ステージ終了後の総合リザルト(最終リザルト)
1位 GILMORE Brady(ISRAEL - PREMIER TECH) 13h44’43”
2位 KRETSCHY Moritz(ISRAEL - PREMIER TECH)+0’00”
3位 LÓPEZ Jordi(EUSKALTEL-EUSKADI) +0’06”
23位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +2’53”
34位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +4’44”
47位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +7’28”
50位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +8’36”
89位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +22’16”
▼第5ステージ終了後のリーダージャージ
イエロージャージ(総合) GILMORE Brady(ISRAEL - PREMIER TECH)
グリーンジャージ(スプリント) HENNEQUIN Pau(EUSKALTEL-EUSKADI)
水玉ジャージ(山岳) LOOCKX Lander(UNIBET TIETEMA ROCKETS)
ブルージャージ(ベストアジアンライダー) 小石祐馬(JCL TEAM UKYO)
※全リザルトは下記URLをご参照ください。
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