【レポート】Tour de Taiwan 2025 Stage 1 台北市(UCI 2.1)
▼開催日
2025年3月17日(月)
▼スタート
中壢青塘園(Green Pnd Park)
▼フィニッシュ
角板山公園(Jiaobanshan Park)
▼出場選手
谷 順成
フォン・チュンカイ
岡 篤志
沢田 時
ルーベン・アコスタ
▼競技概要
中壢青塘園~竹園漁港~白沙岬燈塔~角板山公園 総距離123.31km
出走:107名
スタート時間:11:00(日本時間)
▼レースレポート
ツール・ド・台湾第2ステージは、全5ステージ中唯一の上りフィニッシュで、その上りフィニッシュも含めて2級の山岳ポイントは3つ、途中、右側に海を見ながら走る区間もあり、海岸線コースの最後にスプリントポイントが一か所設定されている。天気は雨こそ降らないものの、スタート直前までウィンドブレーカーを脱げないほど肌寒く、レースが始まれば強風にも道幅の狭い上り区間にも神経を使わなければならない、とてもナーバスなステージになることは予想されていた。総合でライバルに差をつける最も大切なステージであると全員が認識しているので、それはなおさらだ。
<第2ステージ前の鈴木監督のコメント>
「今日も肌寒く、風速7mと予報。1つ目のスプリントポイント(残り65km地点)を過ぎて内陸に入ると、横風になるのではないかと予想している。そこで今日のエースの岡選手とルーベン選手を守りながら、上りの始まるところ(残り29km地点)まで行って欲しい。序盤で逃げが決まるようであれば谷選手に行ってもらいたい。上りはじめが道が狭いので、チームで協力してエース2名を前で上らせ、下りきったところでエースを前に送ることが最重要課題」
<第2ステージ前の選手のコメント>
沢田「昨日は天候が悪かったが、全員がタイム差を失うことなくゴールできてよかった。今日が山場のステージになるとみんなが予想しているので、エースである岡選手とルーベンをアシストして、他から遅れることなくゴールすることができれば合格かなと思っている。そのためにチーム一丸で戦っていきたい」
岡「ツール・ド・台湾全5ステージある中で、今日が唯一の上りゴール。一番重要なステージになると思っている。何としても食らいついて、明日からの総合成績に繋げたい。コンディションの面では不安材料がいくつかあるが、しっかりトレーニングしてきたので、大丈夫だと信じて臨みたい」
アコスタ「昨年このステージで6位だった。そのイメージを重ねて、今日もいい成績が出せるように頑張りたい。このステージは風が強く、狭い区間が多い。特に後半はナーバスになる部分もあるが、チーム一丸となってレースを組み立てたい。いつも私たちのために応援してくださり、ファンのみなさんには感謝している。この素晴らしい大会を頑張っていきたい」
4.4kmのパレード走行のあとリアルスタートが切られると、今日は昨日と打って変わってアタック合戦となった。ファーストアタックにはチームから1名送り込めたが、後ろから次々と合流し、10人以上になったところで逃げは成立せず。その後スタートから8kmほどで4人の逃げが決まる。メンバーはMCDONALD Bailey選手(TEAM NOVO NORDISK)、LANE WELSH Tali選手(CCACHE X BODYWRAP)、CLARK Boris選手(ST GEORGE CONTINENTAL CYCLING TEAM)。ここに残り100km地点でNG Pak Hang選手(HONG KONG, CHINA)とLI Ting Wei選手(CHINESE TAIPEI NATIONAL TEAM)が合流し6名の逃げとなった。
集団はリーダージャージがいるROOJAI INSURANCEがメインでコントロールしたが、SOLUTION TECH VINI FANTINIも新城幸也選手が積極的に指示を出しながら集団の前を引く姿が見られた。宇都宮ブリッツェンが引くことはなく、アベレージスピード42km/h以上の集団の中で存在を消すほどの状態であったが、これが後に功を奏す。
残り60kmあたりからの集団は、ROOJAI INSURANCE以外のチームがコントロールをするようになり、飛び出しも多く、まとまりを欠き始めた。それは残り11km地点で再びROOJAI INSURANCEがコントロールするまで続き、皆が疲弊する中、宇都宮ブリッツェンは各々対応しつつも、岡とアコスタを温存し、影を潜めてフィニッシュを目指した。
2つ目の山岳ポイントは集団が半分ぐらいになり、そこまでチームで温存してきた岡とアコスタが残る。最後のフィニッシュまでの上りは、岡が残り、先頭集団は30名ほどとなる。1名の逃げもあったが捕まり、集団はスプリントに備えた。スプリント力もある岡は、当然ステージ優勝を狙ったが、ラスト1km地点と最終コーナーで起こった落車の影響で番手を上げられず。それでも最後の力を振り絞りステージ12位となった。ステージ優勝はフィニッシュ直前でLÓPEZ Jordi選手(EUSKALTEL-EUSKADI)をかわしたGILMORE Brady選手(ISRAEL - PREMIER TECH)だった。
岡はこれにより総合8位にジャンプアップ。ベストアジアンライダー賞を獲得した。明日はブルーのリーダージャージで出走する。鈴木監督は言う。「明日からは、ステージ優勝だけでなく中間スプリントポイントのボーナスタイムを稼ぐだけでも、最終日に総合ベスト10以内を狙えると思う。もっと言えば総合優勝だって叶う。明日からのレースは岡選手を中心に組み立てられる。作戦通り、みんなよく動いてくれて、今日は大成功だ」
岡は総合でトップと17秒差。4位の選手とは2秒差の位置だ。明日は1級山岳も含まれるが、その前にスプリントポイントが2か所ある。スプリントポイントは通過順位1~3位までに入ると3秒、2秒、1秒のボーナスタイムがもらえ、総合時間から引いてもらえる仕組みだ。明日はブルーのリーダージャージを身にまとった岡を、赤いチームがどうアシストしていくか注目していただきたい。
【レース後の鈴木監督のコメント】
当初の予定では、このステージは他にタイム差をつけられないようゴールするのが大前提だった。ただ上りゴールだったので、もしトップ集団に残れて、それが少人数であれば、明日は中間スプリントポイントを取ってボーナスタイムを稼いでいけば、最終的に総合トップ10が狙えると思っていた
もっと言えば、優勝まで届く可能性がある。そういう意味でも、スプリント力もある岡選手が、今日はこうしてトップ集団でフィニッシュしてくれて、明日からも岡選手を中心にレースを組み立てることができる。今日は成功だと思う。作戦通りに、みんなよく岡選手を前に連れて上ってくれた。
【レース後の岡のコメント】
なんとか粘って先頭集団に残れたので、ゴールスプリントできたら良かったのですが、脚も厳しかったのと、ラスト1kmと最終コーナーで2回落車があり、その影響もあってスプリントに絡めなかった。とりあえず明日に繋げられたので、明日から総合順位を上げていけるように頑張りたい。
▼第2ステージリザルト
1位 GILMORE Brady(ISRAEL - PREMIER TECH) 2h52’06”
2位 LÓPEZ Jordi(EUSKALTEL-EUSKADI) +0’00”
3位 KRETSCHY Moritz(ISRAEL - PREMIER TECH) +0’00”
12位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +0’04”
31位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +0’29”
41位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +1’55”
55位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +1’55”
76位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +5’39”
▼第2ステージ終了後の総合リザルト
1位 KRETSCHY Moritz(ISRAEL - PREMIER TECH)4h33’04”
2位 GILMORE Brady(ISRAEL - PREMIER TECH) +0’03”
3位 LÓPEZ Jordi(EUSKALTEL-EUSKADI) +0’07”
8位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +0’17”
31位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +0’42”
42位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +2’08”
50位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +2’08”
76位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +5’52”
▼第2ステージ終了後のリーダージャージ
イエロージャージ(総合) KRETSCHY Moritz(ISRAEL - PREMIER TECH)
グリーンジャージ(スプリント) QUICK Blake(ROOJAI INSURANCE)
水玉ジャージ(山岳) GILMORE Brady(ISRAEL - PREMIER TECH)
ブルージャージ(ベストアジアンライダー) 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
※全リザルトは下記URLをご参照ください。
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