宇都宮ブリッツェンは常にシエッラとフォンが集団の前を位置取る。25周のうち19周目辺りから徐々にタイム差は縮まり始め、20周目で逃げの6名が捕まる。すぐに4名が逃げを作ったが、ここには2022年タイムトライアルチャンピオンの金子宗平選手(群馬グリフィンレーシングチーム)が入った。3周目でシエッラを含む7名の逃げができたときも金子選手が入っていたので、金子選手にとって今日2回目の逃げとなる。
その金子選手の独走力についていったのが渡辺一気選手(京都産業大学)だ。逃げはこの2人となり、集団でも牽制が始まる。やがて渡辺選手が遅れ始め、金子選手単騎になると、集団にも表彰台の可能性が少し高まり、渡辺選手を飲み込んだ後は、2位、3位の戦いが始まった。
金子選手の独走勝利がほぼ決まりかけた頃、宇都宮ブリッツェンは谷がギアを掛けた。フィニッシュが上り基調のコースは谷の得意のレイアウトだ。長距離レースの上、高速の展開であったため、最後は我慢比べの様子でマトリックスパワータグのフランシスコ・マンセボ選手がアレクサンドロ・アグロティス選手を牽引して前を固め、谷はそれに押し出されるような形で5位となった。「最後はフォンが集団待機、自分が心臓破りの坂(残り2㎞)でアタックに反応するという役割分担をした。2位争いで飛び出した4人に自分が入れたことで5位になれた」と言う谷。優勝は逃げを決めた金子選手だった。
谷は3月14日のツール・ド・台湾第5ステージで落車し、そのまま台湾で入院。先週のチャレンジロードで復帰したばかりであったが、最後は自分のチームでの役割を果たすべく、表彰台にむけて果敢に攻める姿を魅せてくれた。
明日も群馬CSCで2日目のレースがある。今日の積極的な動きを明日は結果に繋げたい。