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2024/11/11 レース

【レポート】ツール・ド・おきなわ 国際ロードレース(UCIアジアツアー1.2)

【レポート】ツール・ド・おきなわ 国際ロードレース(UCIアジアツアー1.2)

 

▼開催日

2024年11月10日(日)

 

▼会場

21世紀の森体育館前(沖縄県名護市大南2-1-1)

 

▼出場選手

谷 順成

フォン・チュンカイ

ジェシット・シエッラ

ルーベン・アコスタ

花田 聖誠

 

▼競技概要

本部半島1周コース 50㎞(200kmから短縮)

スタート時間:6:45

▼レースレポート

 

毎年、日本のロードレースシーズンを締めくくるツール・ド・おきなわ。200kmという長距離の上に、周回コースではないのは日本ではめずらしく、「いつかはツール・ド・おきなわで勝ちたい」と思う選手も多い。また、9月から始まったUCIレース転戦の締めくくりのため、最後に一旗揚げたいという思いが展開を激しくする。

 

宇都宮ブリッツェンは谷順成、花田聖誠、フォン・チュンカイ、ジェシット・シエッラ、ルーベン・アコスタの5名で参戦。退団を発表しているシエッラ、また監督の西村大輝にとっては宇都宮ブリッツェンでのラストレースだ。はなむけのレースとなるようチームの士気も上がった。

 

しかし、9日(土)7時30分までの24時間の雨量は、レースコース上の国頭郡東村で432ミリと観測史上1位の値を更新。各地で道路の陥没、土砂災害が発生し、実行委員会はすべてのレースを比較的被害の少ない本部半島1周の50kmに変更した。宇都宮ブリッツェンが出場する男子チャンピオンクラスも200kmから50kmとなった。本来は登坂の厳しいツール・ド・おきなわであったが、一気にスプリンター向けのレースとなった。

 

<レース前の谷のコメント>
「ジャパンカップが終わってから時間があったので、それぞれがこのレースに向けて仕上げてきた。本来200kmのレースだったのがほぼフラットの50kmに変わったため、自分たちが思っていた展開にはならないと思うが、チームの状態がいいのは変わらない。スプリントになってもフォン選手がいるし、ほかのメンバーも逃げを打っていくことができるので、しっかりと全員で順位を狙っていきたい。集団スプリントの可能性が高いが、逃げ切りがないとは思わない。自分には逃げ切りのほうが勝利のチャンスがあると思うので、そのチャンスを捨てずにチャレンジしていきたい」

選手は朝4時に朝食を済ませ、6時45分のスタートに備えた。5時頃には激しい雨が振り、わずか数分の間にスタート地点の一部が冠水するほどだったが、スタート直前には雨はピタリと止み、無事にスタートの号砲を聞くことができた。

 

朝日とともに選手たちが走り出したが、2kmのパレード走行を終える頃には空が暗くなり始める。リアルスタート後にセントジョージ・コンチネンタル・サイクリングチームのジャック・エイトケン選手が単独アタック。そこに4名が追いつこうと集団から飛び出すものの、集団が繋がってしまい、エイトケン選手も捕まってリセットに。その後もアタックが続くが、雨脚が少しずつ強くなる。スタートから8kmに到達した時点で、約36km地点の道路が冠水しているとの情報が本部に入る。男子チャンピオンクラスの10分後にスタートするはずだった市民200kmのスタートは保留が続き、情報が錯綜する中、市民200km以降のすべての市民レースがキャンセルされることが告げられた。その時点で続行していたチャンピオンクラスも、レースディレクターによって赤旗が振られ、レース中止が指示された。スタートから約13km地点だった。

 

選手が走っていた付近の雨はそれほどでもなかったが、約36km地点の名護市呉我は、それこそバケツを引っくり返したような雨が降っており、先行するコースチェック車が10センチから20センチの冠水を確認しての判断だったと聞く。もちろん、スタート前はレース開催可能な状態であったが、直前の豪雨が状況を変えた。

 

選手は来たコースを折り返し、それぞれ宿に戻った。

 

「少しでも沖縄を走ってもらいたい」という気持ちが伝わっただけに、36回大会にして初の中止は苦渋の決断だったと察する。開催にご尽力いただいた大会関係者、また地元の方に感謝申し上げます。また、災害箇所が早く復旧し、平常の生活を取り戻されることをチーム一同願っています。

 

さらに今シーズンもたくさんのご声援ありがとうございました。ロードレースの方は今季のレースを終了しましたが、シクロクロスのほうはレースが続き、12月15日(日)は道の駅うつのみやろまんちっく村にて全日本選手権が開催されます。引き続きの応援、また来季も皆様の力でサポートしていただけますよう、お願い申し上げます。

【レース後の谷&花田のコメント】

谷:集団は高速でレースをやっており、道の途中で赤旗が振られ、選手は「なぜ振られたんだろ」という雰囲気だったが、道が冠水していると聞き、こればかりは仕方ないと思った。ツール・ド・おきなわでの勝利に、みなさんが期待してくださっているのは感じていた。僕たちもここに向けて厳しいトレーニングを積んできた。少し残念な気持ちはあるが、1年間通してたくさん応援をいただけた。来年に向けて、またチームを作っていきたい。

 

花田:ライブ配信やそのほかで応援してくださったみなさん、ありがとうございました。「宇都宮から来たよ」と声を掛けてくださった現地応援の方もおられ、みなさまの応援に応えたいと思ってスタートを切った。今回は残念ながら中止となってしまったが、来シーズンに向けて準備していきたい。引き続き応援よろしくお願いします。

▼リザルト

 

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