選手は朝4時に朝食を済ませ、6時45分のスタートに備えた。5時頃には激しい雨が振り、わずか数分の間にスタート地点の一部が冠水するほどだったが、スタート直前には雨はピタリと止み、無事にスタートの号砲を聞くことができた。
朝日とともに選手たちが走り出したが、2kmのパレード走行を終える頃には空が暗くなり始める。リアルスタート後にセントジョージ・コンチネンタル・サイクリングチームのジャック・エイトケン選手が単独アタック。そこに4名が追いつこうと集団から飛び出すものの、集団が繋がってしまい、エイトケン選手も捕まってリセットに。その後もアタックが続くが、雨脚が少しずつ強くなる。スタートから8kmに到達した時点で、約36km地点の道路が冠水しているとの情報が本部に入る。男子チャンピオンクラスの10分後にスタートするはずだった市民200kmのスタートは保留が続き、情報が錯綜する中、市民200km以降のすべての市民レースがキャンセルされることが告げられた。その時点で続行していたチャンピオンクラスも、レースディレクターによって赤旗が振られ、レース中止が指示された。スタートから約13km地点だった。
選手が走っていた付近の雨はそれほどでもなかったが、約36km地点の名護市呉我は、それこそバケツを引っくり返したような雨が降っており、先行するコースチェック車が10センチから20センチの冠水を確認しての判断だったと聞く。もちろん、スタート前はレース開催可能な状態であったが、直前の豪雨が状況を変えた。
選手は来たコースを折り返し、それぞれ宿に戻った。
「少しでも沖縄を走ってもらいたい」という気持ちが伝わっただけに、36回大会にして初の中止は苦渋の決断だったと察する。開催にご尽力いただいた大会関係者、また地元の方に感謝申し上げます。また、災害箇所が早く復旧し、平常の生活を取り戻されることをチーム一同願っています。
さらに今シーズンもたくさんのご声援ありがとうございました。ロードレースの方は今季のレースを終了しましたが、シクロクロスのほうはレースが続き、12月15日(日)は道の駅うつのみやろまんちっく村にて全日本選手権が開催されます。引き続きの応援、また来季も皆様の力でサポートしていただけますよう、お願い申し上げます。