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2024/10/12 レース

【レポート】マイナビ ツール・ド・九州 2024 第1ステージ 大分(UCIアジアツアー2.1)

【レポート】マイナビ ツール・ド・九州 2024 第1ステージ 大分(UCIアジアツアー2.1)

 

▼開催日

2024年10月12日(土)

 

▼スタート&フィニッシュ

別府市・立命館アジア太平洋大学(大分県別府市十文字原1-1)

 

▼出場選手

谷 順成

沢田 時

花田 聖誠

フォン・チュンカイ

ジェシッド・シエッラ

ルーベン・アコスタ

 

▼競技概要

別府市(立命館アジア太平洋大学)由布市九重町日田市(大原八幡宮前) 約138

出走:97

スタート時間:10:00

▼レースレポート

 

昨日の前哨戦レース「小倉城クリテリウムレース」を経て、今日からツール・ド・九州の本線がスタートした。第1ステージの大分ステージは、別府市から西へ進んで日田市をフィニッシュとする約138㎞ラインレースで、山岳地帯を走る厳しいコースでありながらも、最後は集団スプリントが予想されるという、チーム総合力を試されるステージである。

 

宇都宮ブリッツェンは、フォン・チュンカイ、沢田時、谷順成、ジェシット・シエッラ、ルーベン・アコスタ、花田聖誠の6名が出場。フォンは夏に練習中の落車で膝靭帯を部分断裂し、医師の診断ではジャパンカップの出場さえ危ぶまれていたが、必死の治療とリハビリでこのツール・ド・九州への出場を叶えた。昨日も復活のスプリントを見せ、今日もその脚に期待したい。

 

<レース前の谷のコメント>

昨日のクリテリウムを走っていて、今年はかなりレベルが高いなと感じている。今日の大分ステージが肝になるのではないかということで、みんな気を引き締めて準備をした。総合争いに加われる選手がうちは多いと思っているので、総合争いに残れる選手をできるだけ多く出せるよう、明日につなげる走りをしていきたい。チームで連携しながら、トラブルなく、先頭集団でゴールすることを、まずは目指していきたい。そしてチャンスがあればさらにステージ優勝を狙っていきたい。自分自身、コンディションがとても良く、上りの感触もいい。今日のステージもいい走りができると思っている。しっかり最前線で戦っていきたい。

 

谷の言う通り、このレースはUCIアジアツアー1クラスに属し、全17チーム中7つが海外チーム、そのうち世界レベルで戦うチームが4チーム来日しており、昨日もフォンに「いつもの日本のUCIレースと違うと感じた。ワールドツアーチーム中心にペースメイクが行われ、ポジションを上げようと前方に上がっても入れてもらえず、集団前方をキープするのが容易でない」と言わしめたほど。

そんな中、宇都宮ブリッツェンは今日も組織力を見せた。

 

ニュートラル区間を経てリアルスタートが切られたが、その後のコースの厳しさを考慮してか、すぐにアタックがかかることはなかった。ようやく2分ほど経ったところで日本チームを中心にアタックがあったが、すぐに繋がる。その後も決定的と感じる逃げも決まったが、アスタナ・カザクスタン チーム、EFエデュケーション・イージーポスト、トタルエナジーなど海外チームが集団コントロールをして吸収していく。最終的に集団が落ち着いたのは、残り70kmでクリスティアン・ズバラーリ選手(コラテック・ヴィーニファンティーニ)が単独逃げを成功させてからだ。どちらかというとスプリンターだが、グランツール10回、クラシックレース20回の出場経験を持つ実力者。その力を信じてか、ズバラーリとタイムギャップ2分がついた残り約50km地点で、フランシスコ・マンセボ選手(マトリックスパワータグ)がアタック。それについて行ったのがシエッラだった。この頃になると、宇都宮ブリッツェンはチームで固まり、集団の先頭2番手をコントロールするチームとして走っていた。結局シエッラの逃げは、マンセボ選手が遅れることでつかまってしまったが、宇都宮ブリッツェンは今日も存在感を示す走りでフィニッシュの周回に入った。

 

最後は日田の街を2周回半するが、残り2周回に入るフィニッシュラインで、宇都宮ブリッツェンは6名全員を集団に残していた。これは国内チームでは唯一だったし、全体を見ても全員を残したのは宇都宮ブリッツェン、トタルエナジー、コラテック・ヴィーニファンティーニだけだった。宇都宮ブリッツェンは存在感を示しつつも、谷がレース前にコメントしたように、「最低限、先頭集団でゴールするように」を有言実行できそうな様子になってきた。

 

レースの方は、やはりワールドツアーチームが仕掛けてきて、残り5kmの5名の逃げからエミリアン・ジャニエール選手(トタルエナジー)がスプリントで優勝。宇都宮ブリッツェンはその逃げに乗せることはできなかったが、後続集団のスプリントでフォンが13位に入り、沢田も18位。谷とアコスタも先頭集団に残り、チーム総合成績は4位に。個人総合成績もこの4人がトップとわずか20秒差におり、まさに明日につながるステージとなった。

【レース後のフォンのコメント】

僕自身にとっては、怪我から復帰直後で、感触はいいのだが、やはりハイテンポの上りはただついていくだけになってしまった。怪我からの3か月、「たぶん僕は大丈夫だ」と思ったけど、ときどきとてもつらい瞬間があった。あまり考え込まないようにして、前に進んだ。(明日の第2ステージはフォン向きだという質問に対し)それはわからないけど、ただ、いつでも大事なポイントや逃げは外さずに対応していく。(沢田)時のコンディションがとても良いと思う。チームとしてどう前で展開していくかを考え、リザルト上位に挑戦していきたい。

▼リザルト

 

1位 エミリアン・ジャニエール(トタルエナジー) 3h17’28”

2位 ルーカス・ネルーカー(EFエデュケーション・イージーポスト)+0’00”

3位 アントン・チャーム(アスタナ・カザクスタン チーム) +0’00”

 

13位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +0’10”

18位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +0’10”

35位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +0’10”

39位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +0’10”

49位 ジェシット・シエッラ(宇都宮ブリッツェン) +1’18”

72位 花田聖誠(宇都宮ブリッツェン) +9’41”

 

 

▼第1ステージ終了後の個人総合成績

 

1位 エミリアン・ジャニエール(トタルエナジー) 3h17’28”

2位 ルーカス・ネルーカー(EFエデュケーション・イージーポスト)+0’03”

3位 アントン・チャーム(アスタナ・カザクスタン チーム) +0’06”

16位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +0’20”

20位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +0’20”

36位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +0’20”

39位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +0’20”

49位 ジェシット・シエッラ(宇都宮ブリッツェン) +1’28”

72位 花田聖誠(宇都宮ブリッツェン) +9’51”

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。

https://www.tourdekyushu.asia/results/oita/