▼レースレポート
九州地方の美しい街並みや自然の中を国内外の強者たちが駆け抜ける大規模なUCIレース「ツール・ド・九州」。昨年に続き2度目の開催となった今回も、エキシビジョンレースである小倉城クリテリウムから幕を開けた。
国内ライバルチームだけでなく、世界で走るUCIワールドツアーチームやUCIプロチームも参戦する同大会。スタートラインには強豪ばかりが肩を並べるが、赤い稲妻も負けてはいない。
シーズン後半戦に入り、チームワークも個々のコンディションも好調で波に乗る宇都宮ブリッツェン。新城ロードレース優勝の沢田時、直近で出場したおおいたアーバンクラシック3位のルーベン・アコスタをはじめ、谷順成、花田聖誠、フォン・チュンカイ、ジェシッド・シエッラの6選手が出場した。
初日のクリテリウムは、小倉城を中心とした特設コース約1.8kmを25周回し、トータル約45kmを走る。コース沿いには小倉城庭園や勝山公園、松本清張記念館などが並び、まさに中心地といえるロケーションだ。観客にとっては、疾走する選手たちと風景の融合を何度も楽しめる魅力的なコースではないだろうか。
一方、選手目線でレイアウトを見てみると、複数ある直角ターンや180度ターンが目を引く。コーナーのたびに加減速が繰り返されるため、位置取りや立ち上がりに踏み出す力が勝敗を分ける鍵となるだろう。さらに石畳の敷かれた区間にも注意が必要だ。
チームプレゼンテーションで谷順成キャプテンは、「今年もチームとして参加できて光栄。来週はホームで宇都宮ジャパンカップがあり、そこに向けて取り組んできたので、今大会でも良い走りができると思っている。今日はフォン・チュンカイ選手でスプリントを狙いたい。明日からのロードレースは全員が上位に入れる力を持っているので、チーム力を活かして格上のチームと渡り合っていきたい」と意気込んだ。
気持ち良いほどの青空の下、老若男女大勢の観衆に見送られてレースはスタートした。
レースは序盤からぐんぐんスピードが上がり、ハイペースな展開に。コーナーでは激しい位置取り争いが繰り広げられ、直線に入ると集団は縦に長く伸びる。海外勢を中心に各チーム積極的な動きを見せるなか、4周回直前には沢田時も単独で前へと飛び出す動きを見せて存在感を示した。前半は何度もアタックが繰り返されるが、決定的な逃げには繋がらず。集団は一つのまま周回が重ねられていき、レースはあっという間に折り返しを迎えた。