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2024/10/15 レース

【レポート】マイナビ ツール・ド・九州 2024 第3ステージ 福岡(UCIアジアツアー2.1)

【レポート】マイナビ ツール・ド・九州 2024 第3ステージ 福岡(UCIアジアツアー2.1

 

▼開催日

2024年10月14日(月・祝)

 

▼スタート

岡垣町・岡垣サンリーアイ(福岡県遠賀郡岡垣町野間1-2-1

 

▼フィニッシュ

宗像市・宗像大社(福岡県宗像市田島2331)

 

▼出場選手

谷 順成

沢田 時

花田 聖誠

フォン・チュンカイ

ジェシッド・シエッラ

ルーベン・アコスタ

 

▼競技概要

岡垣町(岡垣サンリーアイ)→波津海岸→垂見峠→宗像市(宗像大社) 140.48㎞

出走:87名

スタート時間:13:30

▼レースレポート

 

マイナビ ツール・ド・九州2024最終ステージの舞台は福岡。岡垣町から宗像市までの約141kmで争われたが、今ステージのポイントは周回コースが存在する点だ。

 

9周する周回コースは、すべての周回に垂見峠の山岳ポイントが設定されている。また波津の中間スプリントポイントも3回。山岳賞で逆転を狙いたい選手にとっては9回の山岳ポイントはチャンスとなり、総合ジャンプアップを狙う選手にとっても3回の中間スプリントポイントは魅力だ。中間スプリントポイントでは通過順位で1位3秒、2位2秒、3位1秒が総合順位のタイムからそれぞれマイナスされる。総合1~3位が16秒以内におり、総合39位までが30秒以内にいる状態での最終ステージ。中間スプリントポイントを3回1位通過すれば9秒引いてもらえるとなれば、例えば39位からトップ5入りも夢ではない。今日は「ステージ優勝狙いだけではない戦い」が様々なところで起こる。

 

宇都宮ブリッツェンは最終ステージまで6名全員を残し、フォン・チュンカイ、沢田時、谷順成、ジェシット・シエッラ、ルーベン・アコスタ、花田聖誠が出走。沢田、谷、アコスタがトップと30秒以内に位置する。

 

<レース前の谷のコメント>
「とてもレベルの高い大会で、毎日、かなり疲労はしているが、個人的にはステージレースのほうが調子を上げていけるので、今日が一番いい走りができると思っている。総合争いが僅差で、40人ぐらいが争う形。今日は中間スプリント、ゴールスプリントでの戦いが激しくなると思う。アコスタ選手、沢田選手、そして僕が、総合順位争いの中にいるので、誰かが中間かゴールスプリントに絡めるよう、他の選手がアシストする作戦でいきたい」

 

このレースはUCIレースでもあるので総合25位までUCIポイントがつく。UCIポイントはUCIレースの出場権を得るためにも重要なため、できるだけ多くのポイントを取るのも各チームにとって大事なミッションだ。ここにも「ステージ優勝狙いだけではない戦い」がある。

 

岡垣町から約8kmのパレード走行後、周回コースに入ったのは87名。97名で開幕したマイナビ ツール・ド・九州2024だったが、集団は少し小さくなった。また今回の周回コースは玄界灘の波津海岸と標高105mの垂見峠を9周するので、その高低差がどう走りに影響するか。

 

スタートからアタック合戦が続き、決定的な逃げが決まったのは35kmを過ぎた頃。冨尾大地選手、入部正太朗選手(以上シマノレーシング )、小石祐馬選手(JCL TEAM UKYO)、安原大貴選手(マトリックスパワータグ)、山本元喜選手(キナンレーシングチーム)、ダニエル・ヴェン・カリーニョ選手(ヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリング)という日本人選手中心の6名の逃げが決まり、特に山本選手は山岳ポイントを積極的に取り、結果的には今日1日で山岳賞を手中に収めた。また入部選手と小石選手は総合トップと30秒以内の選手であったため、中間スプリントポイントで激しい戦いを見せた。

集団のほうは、総合トップのエミリアン・ジャニエール選手を擁するトタルエナジーが終始集団をコントロール。見事に計算尽くされた走りで、逃げとの差を1分30秒あたりに保って進む。宇都宮ブリッツェンは全員を集団に残し、トタルエナジーに動きを委ねるしかなかった。

 

レースが動き始めたのは6回目の山岳ポイント手前。集団からカーター・ベトルズ選手、アドネ・ファン・エングレン選手(以上ルージャイ・インシュアランス)、ベンジャミン・ダイボール選手(ヴィクトワール広島)が飛び出し、集団はこれを容認。前の6名は安原選手と冨尾選手がドロップして4名となっており、7周回目に入ってすぐに3名が合流して、7名の逃げとなった。

 

メイン集団は少しずつ加速を始め、前との差を徐々に縮め始め、8周回目の山岳に向けては集団がバラけて、トタルエナジートレインが崩壊。前をキャッチし、7名から粘ったベトルズ選手、エングレン選手、ダイボール選手の3名だけ逃げ続ける状態に。この動きで花田が集団から遅れる。

 

やがて3名も捕まり、さらに逃げもできたが、最終的には集団スプリントに。宇都宮ブリッツェンは5名が集団におり、その中からフォンと沢田がスプリント勝負に加わる。並み居るワールドクラスの選手の中で、まったく怯むことなく加速していくフォンと沢田。これまで好調の草場啓吾選手(愛三工業レーシングチーム)の後ろを取る動きを見せた沢田には、特に光るものがあった。集団の列で言うと、フォンが4列目、沢田が5列目あたりで踏ん張ったが、順位としてはフォンが12位、沢田が16位であった。新城ロードでスプリント勝利した沢田の実力は、伊達じゃないことが感じられた今レースだった。

 

3日間の結果としては、沢田が22位でUCIポイント3ポイントを獲得。谷キャプテンは「レベルの高い大会だったとはいえ、もう少しできることがあったのではないか。チームとして悔しい。厳しい戦いのレースとなったが、6人全員が残って3日間しっかり戦えたので、反省点が多い中でもチームで得たものもあったので、それを今度、自分たちのホームの宇都宮ジャパンカップでこの雪辱を果たし、良かった点をつなげたい」と振り返った。

 

さぁ、今週末は宇都宮ジャパンカップ。ケガなくこの4日間を終えられたことは、まずは何より。今大会で入れた刺激で弾みをつけ、宇都宮ジャパンカップでチームをピークに持っていきたい。

【レース後の谷 順成のコメント】

今日は総合が絡んでいるアコスタ選手か沢田選手か僕が、逃げに入って中間スプリントポイントのボーナスタイムを取りに行くというのが第一の目標だったが、最初のアタック合戦が激化し、その中で3人で立ち回ったが、決定的な逃げを逃してしまい、集団コントロールするチームに委ねる形になってしまった。最後のゴールスプリントは、みんなで連携できていたが、最後の最後にはぐれてしまい、それぞれのスプリントに任せることになってしまった。沢田選手のみが22位でUCIポイント獲得となったが、レベルの高い大会だったとはいえ、もう少しできることがあったのではないか。チームとして悔しい。厳しい戦いのレースとなったが、6人全員が残って3日間しっかり戦えたので、反省点が多い中でもチームで得たものもあったので、それを今度、自分たちのホームの宇都宮ジャパンカップでこの雪辱を果たし、良かった点をつなげたい。

 

▼リザルト

 

1位 イヴァン・スミルノフ(アスタナ・カザクスタン チーム) 3h07’44”

2位 エミリアン・ジャニエール(トタルエナジー) +0’00”

3位 ルーカス・ネルーカー(EFエデュケーション・イージーポスト) +0’00”

 

12位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +0’00”

16位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +0’00”

24位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +0’00”

46位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +0’00”

50位 ジェシット・シエッラ(宇都宮ブリッツェン) +0’07”

58位 花田聖誠(宇都宮ブリッツェン) +2’17”

 

 

▼マイナビ ツール・ド・九州2024の個人総合成績

 

1位 エミリアン・ジャニエール(トタルエナジー) 8h52’34”

2位 ルーカス・ネルーカー(EFエデュケーション・イージーポスト)+0’14”

3位 イヴァン・スミルノフ(アスタナ・カザクスタン チーム) +0’23”

 

22位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +0’39”

30位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +0’39”

33位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +0’39”

46位 ジェシット・シエッラ(宇都宮ブリッツェン) +5’08”

50位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +9’07”

66位 花田聖誠(宇都宮ブリッツェン) +20’55”

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。

https://www.tourdekyushu.asia/results/fukuoka/