▼レースレポート
ツアー・オブ・ジャパンから3週間。国内の自転車ロードレースの中で最も緊張感に包まれる全日本選手権が幕を開けた。初日の今日は個人タイムトライアルで、宇都宮ブリッツェンからはU23に菅野蒼羅、男子エリートに谷順成が出場した。
菅野はプロになって初めての全日本選手権。チームスタッフの手厚いサポートを受け、9時4分にチームの先陣を切る。
スタート前の菅野のコメント
「初めての雨の中でのタイムトライアル。1周目の下りはまず安全に走り、自分のペースをしっかり刻んで、5周回を走り切りたい。去年は1周目で落車をしてしまった。上位入賞を目標に頑張りたい」
U23は2つのグループに分け、菅野は前半のWAVE1全9名の5番手でスタート。出走時間は1分おき。1周目の中間計測ポイントは7位だったが、その後は前にスタートした4名をすべて抜き、計測地点を常に1位で通過していく。だが、その記録を塗り替え続けたのが伊藤恭選手(群馬グリフィンレーシングチーム)だった。菅野は昨年のこの大会で1周目に落車し、今回は初めて雨の中でのタイムトライアルを走ろということで、1周目を慎重にいったが、それが影響してか、菅野の1周目の中間計測は4分15秒。一方、伊藤選手の1周目の中間計測は3分55秒。この20秒差を菅野は埋めることができず2位を脱出できず、それでも最後まで脚を回した。
先にフィニッシュした菅野は暫定1位。しかし、最終周の中間計測も伊藤選手に塗り替えられている。あとはフィニッシュタイムを見るのみとなったところで、伊藤選手が思った時間に帰ってこない。聞けばトラブルか落車があったようで、バイク交換を余儀なくされたと。これで、菅野がWAVE1の1位という結果が告げられた。最後まで諦めない走りがこの結果に繋がった。
残りはWAVE2の結果を待ち、総合順位が出るが、WAVE2はエリートのロードレースでも活躍する面々が出走し、昨年のU23ロードチャンピオンの鎌田晃輝選手(JCL TEAM UKYO)が、中間計測タイムで3分52秒を叩き出す好成績で優勝。WAVE1で好調だった伊藤選手でも1番いいラップタイムで3分55秒を1回出しただけだが、鎌田選手は3分台を5回も出しており、2位になった寺田吉騎選手を見ても最速が3分55秒で3分台3回だ。菅野は1度も3分台を出すことができず4位。3位の林原聖真選手(明治大学)も3分台は出していないが、後半に4分1秒台を連発しており、そこが影響してか菅野は35秒差で表彰台を逃した。