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2024/06/21 レース

【レポート】全日本選手権個人タイム・トライアル・ロード・レース大会

【レポート】全日本選手権個人タイム・トライアル・ロード・レース大会

 

▼開催日

2024年6月21日(金)

 

▼スタート&フィニッシュ

日本サイクルスポーツセンター(静岡県伊豆市大野1826)

 

▼出場選手

U23 菅野蒼羅

男子エリート 谷順成

 

▼U23競技概要

日本サイクルスポーツセンター右回り 5km × 5周回=総距離25

出走:19

スタート時間:9:00

 

▼男子エリート競技概要

日本サイクルスポーツセンター右回り 5km × 6周回=総距離30

出走:20

スタート時間:11:30

 

▼レースレポート

 

ツアー・オブ・ジャパンから3週間。国内の自転車ロードレースの中で最も緊張感に包まれる全日本選手権が幕を開けた。初日の今日は個人タイムトライアルで、宇都宮ブリッツェンからはU23に菅野蒼羅、男子エリートに谷順成が出場した。

菅野はプロになって初めての全日本選手権。チームスタッフの手厚いサポートを受け、9時4分にチームの先陣を切る。

 

スタート前の菅野のコメント

「初めての雨の中でのタイムトライアル。1周目の下りはまず安全に走り、自分のペースをしっかり刻んで、5周回を走り切りたい。去年は1周目で落車をしてしまった。上位入賞を目標に頑張りたい」

 

U23は2つのグループに分け、菅野は前半のWAVE1全9名の5番手でスタート。出走時間は1分おき。1周目の中間計測ポイントは7位だったが、その後は前にスタートした4名をすべて抜き、計測地点を常に1位で通過していく。だが、その記録を塗り替え続けたのが伊藤恭選手(群馬グリフィンレーシングチーム)だった。菅野は昨年のこの大会で1周目に落車し、今回は初めて雨の中でのタイムトライアルを走ろということで、1周目を慎重にいったが、それが影響してか、菅野の1周目の中間計測は4分15秒。一方、伊藤選手の1周目の中間計測は3分55秒。この20秒差を菅野は埋めることができず2位を脱出できず、それでも最後まで脚を回した。

 

先にフィニッシュした菅野は暫定1位。しかし、最終周の中間計測も伊藤選手に塗り替えられている。あとはフィニッシュタイムを見るのみとなったところで、伊藤選手が思った時間に帰ってこない。聞けばトラブルか落車があったようで、バイク交換を余儀なくされたと。これで、菅野がWAVE1の1位という結果が告げられた。最後まで諦めない走りがこの結果に繋がった。

 

残りはWAVE2の結果を待ち、総合順位が出るが、WAVE2はエリートのロードレースでも活躍する面々が出走し、昨年のU23ロードチャンピオンの鎌田晃輝選手(JCL TEAM UKYO)が、中間計測タイムで3分52秒を叩き出す好成績で優勝。WAVE1で好調だった伊藤選手でも1番いいラップタイムで3分55秒を1回出しただけだが、鎌田選手は3分台を5回も出しており、2位になった寺田吉騎選手を見ても最速が3分55秒で3分台3回だ。菅野は1度も3分台を出すことができず4位。3位の林原聖真選手(明治大学)も3分台は出していないが、後半に4分1秒台を連発しており、そこが影響してか菅野は35秒差で表彰台を逃した。

午後からスタートしたエリート男子は3つのグループに分けて出走。谷はWAVE1だ。2回りは小さくなったように見える絞れた体で、谷はスタートの時を待った。

 

スタート前の谷のコメント

「風と雨が厳しい。昨年は晴れの中で走ったが、今日は天候もリザルトに関係する。そこもしっかり意識しながら走りたい。今年はツアー・オブ・ジャパンが終わってから3週間ほど時間があった。ロードの練習と共に、タイムトライアルの練習も昨年よりできた。いい準備ができていると思う。栃木県の標高の高い地域で練習を積み、体も絞れた。栃木県での練習の成果を、ここ静岡で発揮したい」

 

U23のときより雨風共に強くなり、気温も下がる中、谷がスタートのスロープを下る。1周目の中間計測地点を2位通過。その後も常に2位通過が続く。どうしても抜けない相手が宮崎泰史選手(KINAN Racing Team)だった。谷のラップタイムは4分4秒~4分22秒と幅があるが、宮崎選手のラップタイムはほぼ3分台で、4分を超えたとしても1、2秒だ。宮崎選手が全ラップタイムを1位通過、谷が全ラップタイムを2位通過でWAVE1が終わった。

 

全選手が走り終え、金子宗平選手(群馬グリフィンレーシングチーム)が全日本タイムトライアルのチャンピオンに返り咲いた。2022年に優勝したが、昨年は落としてしまったので雪辱を果たした形だ。金子選手のラップは1周目の中間計測こそ4分2秒だが、ほかはすべて3分台で、最速の3分50秒を2回も出している。谷は10位となったが、菅野同様1度も3分台が出せていない。

 

今回は雨だったので一概には言えないが、日本サイクルスポーツセンターでのタイムトライアルはラップタイム3分50秒台がコンスタントに出せることをターゲットに、今後も対策を取っていきたい。

 

U23のロードレースは明日、男子エリートのロードレースは明後日開催される。引き続き気を引き締めて、全日本チャンピオンジャージを取りにいく。

【菅野のレース後コメント】

去年のタイムトライアルでは1周目の下りで落車をしてしまい、今年はそれを克服しようと、下りではあまり攻め切らず、上りでしっかり自分のペースを保って走ることができた。結果は4位。3位以内を目標に走っていたので少し悔しい気持ちもあるが、明日のロードレースに向けてしっかりリカバリーして頑張りたい。応援ありがとうございました。

 

【谷のレース後コメント】

レースが終わって、今はすっかり晴れているが、僕たちのWAVE1はかなりの雨と風が強く、結果がだいぶ気候条件に左右されたとは思うが、しっかりペースを保って6周回走ることができた。なんとか10位に入ってUCIポイントを獲得できた。同じWAVE1で走った宮崎選手は2位に入っているので、やはり個人の力ももっと上げないとタイムトライアルでは上位争いをすることはできないと思う。また来年、優勝を目指して走りたい。フィニッシュ後、パワーメーターの数値を見るとかなり良かった。上りが向かい風だったので、思ったほどスピードは出なかったが、パワー値でいうと、練習通りしっかり踏めたことがわかる数値だった。日曜日のロードレースがまた雨予報で、そういう意味では今日、雨の中でこのコースで走れたのはプラスだと思う。明日は今日の疲れをしっかり取り、日曜日はみんなで、宇都宮に日本一を持って帰るという志で準備したい。

▼男子U23リザルト

 

1位 鎌田晃輝(JCL TEAM UKYO) 39’56”46

2位 寺田吉騎(セント パイランシマノレーシング)+0’32”19

3位 林原聖真(明治大学) +1’15”12

4位 菅野蒼羅(宇都宮ブリッツェン) +1’50”73

 

 

▼男子エリート リザルト

 

1位 金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) 46’52”96

2位 宮崎泰史(KINAN Racing Team) +0’51”54

3位 新城幸也(BAHRAIN VICTORIOUS) +1’15”76

 

10位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +3’24”46

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。

https://jcf.or.jp/download/2024_nrc_communique-15/?wpdmdl=76833&refresh=667522cd8d84c1718952653

https://jcf.or.jp/download/2024_nrc_communique-29/?wpdmdl=76847&refresh=6675379f71e061718957983