▼レースレポート
宇都宮ブリッツェンとしては今季最後の公式戦となる全日本自転車競技選手権大会 シクロクロスが、チームの地元宇都宮市・道の駅うつのみや ろまんちっく村で開催された。宇都宮ブリッツェンからは沢田時が出場した。
ライバルはやはり織田聖選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)。現日本チャンピオンであり、今大会は3連覇がかかる。今季のシクロクロス国内レースでも勝利を重ね、ロードレースでもマトリックスパワータグに所属し、上位入りが多々見られた。そんな織田選手に、茨城シクロクロス土浦ステージで土をつけたのが副島達海選手(大阪産業大学)だ。今季絶好調で、力強い走りで沢田もねじ伏せられてしまう場面が見られた。マウンテンバイクにも出場し、沢田は2024年のアジアチャンピオンであるが、副島選手はU23のアジアチャンピオンだ。
<レース前の沢田のコメント>
「リラックスしてこの日までを過ごしたが、やはり大会当日は緊張するのが正直なところ。それが全日本なんだなと思う。昨日も試走をしたが、昨日はコースが乾いていて簡単だったが、今日はぬかるみが増え…、つまり滑る箇所が増え、そこでミスが増えるだろうなと予想する。難しいコースだと感じる。ライバルを意識しすぎるのもミスに繋がると思うが、しっかりと重要なポイントは逃さず、前々で展開して、最後まで力を出し切りたいと思う。ホーム宇都宮での開催の上に、今シーズン最後のレースとなるので、沿道の皆さんに楽しんでいただけるレースをしたい。今日も応援いただけたら嬉しい」
アップを終え、「今年最後のウォームアップが終わった。あとは60分全力を出してきます!」と言いながらスタートラインへ向かった沢田。右手に織田選手、左手に副島選手という並びで、ゼッケン2番の沢田がスタートの号砲と共に飛び出す。
ホールショットを取ったのは副島選手。沢田は2番手通過。3周目に入るところまでは、織田選手も加えた優勝候補3名が冷静に周回を重ねる。全9周というアナウンスが告げられた3周目でレースは動いた。シケイン手前のセクションから織田選手が前に出てペースアップし、若干のアドバンテージを得てシケインに入る。
今季沢田は、自転車に乗ったまま跳んでシケイン(地面にある高さ40センチ未満の障害物)を超えるられるようにバニーホップの練習を積み重ね、その動きはとても滑らかになり、手応えを感じていた、織田選手、副島選手もバニーホップでシケインを超えるスタイルだが、織田選手の正確さは飛び抜けており、織田選手は得意のシケインで更にライバルを突き放す作戦だった。